この記事を読んでわかること
- モラルライセンシングという心理現象がわかります。
- モラルライセンシングを防ぐ方法がわかります。
ブログを書いている人はこんな人
私は塾を経営しています。
多くの生徒を見てきましたが、テスト明けはどうしても気が緩んでしまいます。
それは気合でどうにかなるものでもないので、きちんと休む日を決めることを指導しています。
参考図書
- ロイ・バウマイスター、 ジョン・ティアニー (著), 渡会圭子 (訳)『WILLPOWER 意志力の科学』
- メンタリストDaiGo著『自分を操る超集中力』
- ケリー・マクゴニガル 著『スタンフォードの自分を変える教室』
■結論
『勉強頑張ったから少しくらいさぼってもいいよね』という心理現象を理解していないと、自分が思っている以上にさぼってしまいがちです。
モラルライセンシングを避ける方法は次の3つです。
- なぜを問いかける
- ずっと続くと考える
- 計画的にさぼる
『少しくらい勉強さぼっていいよね』で必要以上にさぼってしまうときの対処法
『いいことをしたから少しくらい悪いことをしてもいいかな』と思ってしまう心理現象をモラルライセンシングといいます。
勉強休むことは悪いことではないのですが、志望校合格という大きな目標に対して『さぼって悪いこと』と思っていると休みたくなってきます。
この心理現象は困ったことに、自分が悪いと思っていることをやってしまう厄介な心理現象なのです。
勉強を必要以上にさぼってしまう原因(モラルライセンシング)
原因は2つあります。
- いい気分になる
- 後で取り戻せる
一つずつ見ていきましょう。
勉強の達成感で『いい気分になる』
何か良いことをするといい気分になります。
自分を信じることができるので、目先の欲求に対しても自信をもってやっていいんだと信じてしまいます。
自信を持つと『自分はできる子』と無意識のうちに思ってしまうので避けることが難しいのです。
自信を持つこと自体はとても良いことですが、このようなパターンに気をつけないといけません。
勉強を休んでも『後で取り返せる』と思ってしまう
自制心が強いと思っている人ほど、モラルライセンシングに陥ってしまいます。
なぜなら、人は明日のほうがうまくいくと考える習性があるからです。
いい気分になる時と同じように、自分に自信が出てくるので少しくらい悪い選択をしてもいいかと思ってしまうのです。
しかしその『少し』が本当に『少し』である場合が少ないのです。
勉強ではないですが2つ例をあげます。
サラダを食べたからと言ってカロリーは減らないですよね!
でもいつもよりも多くお肉を食べてしまうのです。
もう一つは無意識のうちに良いことをするのをためらった例です。
寄付をお願いされたときに、
- 以前たくさん寄付をしたことを思い出した人
- 寄付をしたことを思い出していない人
この2パターンで寄付金額を調べたところ、思い出した人はそうでない人に比べて寄付した金額が6割も少なかったというデータがあります。
以前良いことをしたので今回はいいやという心理状態になってしまったのです。
このように本来の目的と比べると必要以上に悪いことをしてしまったり、良いことをするのにストップがかかってしまうのです。
しかし考え方、ものの見かたを変えることでモラルライセンシングを避けることができます。次の章で解説します。
『少しくらい勉強さぼっていいよね』で必要以上にさぼらない方法
解決策は3つあります。
- なぜ頑張ったのか問いかける
- 明日明後日も続くと考える
- 自分でさぼる日をつくる
なぜ勉強を頑張ったのか問いかける
なぜ頑張ったのかを考えてみましょう。
なぜ英検を頑張ったのでしょうか?志望校合格のためですよね。
英検に合格したら、『志望校に一歩前進』と考えてしまいます。その達成感が志望校合格と勘違いしてしまい他のことが気になりだしてしまいます。
気になったときに『なぜ自分は英検を頑張ったんだろう』と問いかけてみましょう。
長期的な目標を思い出しましょう。そうすることでモラルライセンシングによるさぼりがなくなります。
明日明後日と続くと考える
明日も明後日も同じことをしてしまうと考えてみましょう。
例えば明日は休んじゃおうと思ったときに、このまま明後日もその次の日も続いてしまうかも・・・と考えてみてください。
自分は意志が強いからと思っている人ほど自分は大丈夫と思ってしまいますが、そんな人ほどモラルライセシングに陥るのは先ほど説明した通りです。
と考えてみましょう。
自分で勉強をさぼる日をつくる
やる気も維持できる方法です。
休もうと思う日をあらかじめ作っておくのです。
モラルライセシングの良くないところは、休みすぎてしまうところです。
休みすぎなければ、むしろ休みから復活した自信にもつながります。
自分にはできるという自信にもなって、もっとやる気が出てきます。
このように目標の一部を達成したと自分に言い聞かせておきましょう。