受験と言えば過去問ですが、高校入試の過去問も販売しています。
書店やアマゾン楽天でもいくつか種類があるのでどれが良いかわからないですよね。
塾で指導する際に使った経験から、それぞれの過去問の特徴をお伝えします。
また無料で問題を手に入れる方法もありますので紹介します。
『いつから過去問を使うと良いの?』という質問も多いので、過去問の使い方をふまえていつから使い始めると良いか解説します。
高校入試の過去問おすすめ5選
- 声の教育社 スーパー過去問シリーズ
- 英俊社 公立高校入試対策シリーズ(赤本)
- 富士教育 公立高校入試問題
- 東京学参 都道府県別 入試問題シリーズ
- 教英出版 入学試験問題集
この5つを紹介します。
声の教育社 スーパー過去問シリーズ
おススメです。
私が調べた範囲では国語の問題の省略もなく、解答解説も丁寧です。
英語長文の全訳もついているので、長文読解の練習にも使えます。
『問題の省略がありません』と明記されていないのが少し不安な点です。
東京都版、千葉県版以外もあります。(リンク先は東京都版、千葉県版です)
英俊社 公立高校入試対策シリーズ(赤本)
おススメです。
『問題の省略がありません』と表紙に明記されているので安心して購入できます。
スーパー過去問に比べると解答解説があっさりしていますが、英語長文の全訳はしっかりと載っているので長文読解の練習にも使えます。
地域によっては発売が遅いのが難点です。
大阪府や京都府など西日本に強いです。
富士教育 公立高校入試問題
書店でも並んでいますが、一部の国語の問題が省略されています。(後述)
解答解説や過去問分析もあっさりしていますが、要点は抑えられています。
東京学参 都道府県別 入試問題シリーズ
解答解説や、出題傾向の分析に力が入っています。
しかし一部の国語の問題が省略されています。(後述)
都道府県によって収録年数は異なりますが、7年分の都道府県もあります。
教英出版 入学試験問題集
3年分と問題の量は少ないですがプリント形式なので本番を意識した使い方ができます。
余裕があれば、上記4つの過去問題集のどれかを先に買って、直前期に問題を解くときに使ってみると良いでしょう。
高校入試の過去問を無料で手に入れる方法(PDFまたは印刷)
高校入試の過去問を無料で手に入れる方法を紹介します。
高校入試の過去問を無料で入手するメリットは次の2つです
- 費用がかからない
- 印刷して何回も書き込める
無料のデメリットもあります。
- 解答解説がない
- リスニング音声がない(地域による)
- 出版社の分析がない
- 著作権により問題の省略がある
高校入試の翌日に新聞に問題と解答が載るのと同じように、あくまでも問題と解答と配点がわかるだけだと思ってください。
後述しますが、著作権により問題が掲載できず省略されていることもデメリットです。
リセマムさんのページは、都道府県別に公立高校入試の問題と正答のページがあります。
関東地方の問題は東京新聞のホームページでも公開されています。
大阪府のように都道府県庁のホームページで公開していたり、東京のように教育委員会のページで公開していたりもします。
お住まいの地域の都道府県庁や教育委員会のページをチェックしてみましょう。
大阪府
東京都 教育委員会
高校入試の過去問で国語の問題が省略されている理由
国語の長文読解に使われる文章や、理科や社会の資料写真は作者の著作物です。
そのため、著作権者が2次利用を許可していない場合、本やホームページで掲載できないようになっています。
掲載したいときは改めて著作権者の許可を得る必要があります。
国語の問題を省略していない過去問集は、出版社が使用の許可を得ているためです。
リセマムや東京新聞のホームページのように無料でも過去問は入手できますが、国語の読解問題の文章は省略されている年度も多いです。ほかにも理科や社会の資料(写真)も著作権のため省略されてしまっていることがあります。
前の章で紹介した過去問題集の中では
英俊社は『国語等の問題の省略はありません』と表紙に書かれています。
声の教育社は省略はありませんという記載がありませんでしたが、私が見た範囲では省略されていませんでした。
富士教育、東京学参は著作権によって問題が省略されていることが目次に記載されています。
読解問題で文章が無いと問題が解けないので、省略無しの過去問がおススメです。
高校入試の過去問はいつから使い始めるか
結論から言うと過去問は7~8月ごろには買っておきましょう。
なぜなら、過去問を使って出題傾向を分析することで、受験勉強を効率的に進められるからです。
そのため、受験勉強を始める前に買って過去問分析から始めてみましょう。
過去問で最低限やっておきたいことが2つあります。
- 傾向を知る
- 問題を解く
傾向を知ってから勉強すると効率的に受験勉強を進められます。
入試問題は必ず大問と小問の構成になっています。
大問というのはまとまった大きな問いのことで、大問の中に小問が配置されています。
大問ごとに特徴があり、ほぼ毎年同じ傾向になっています。
上記で挙げた過去問集にも出版社が独自に分析した出題傾向が書いてあります。
まずは出版社の分析を読んでから、自分でも大問ごとにどんな問題が出題されているか3~5年分くらいチェックしてみましょう。ノートに自分なりにどんな傾向なのかメモ書きしてみると良いです。
問題を解いてしまうと時間がかかってしまうので解かずに傾向だけ調べてみましょう。
ノートに自分なりに出題傾向を調べメモ書きすると
- どこでどんな問題が出るか
- 問題にどんな特徴があるか
なんとなく頭の中に入ってきます。
出版社の分析を読むだけよりも実際に体験したほうが良いです。
記憶は、すでに持っている記憶と結び付けて覚えようとします。あらかじめ過去問の大問だけでも体験しておけば、
『あっ、ここは過去問で出題された形式だ!』のように覚えやすくなります。
高校入試の過去問はいつから解けば良いか
高校入試の1か月くらい前には実際に問題を解いてみましょう。
今まで勉強した知識を使って問題を解いていきます。
問題を解く目的は2つです。
- 追い込み時期に向けて、まだ足りていないところが無いか確認する
- 自分の想定した通りに大問が出題されることを再確認する
『問題を解いて点数をつけて満足』だけでは解いた意味がありません。
本番でも目標点数に到達できるか、足りないところは無いかを自分で確認しましょう。
本番はどうしても緊張します。
良い緊張感を持てれば能力を存分に発揮できますが、緊張しすぎては力を発揮できません。
『問題を解こうとしたら頭が真っ白になった』
というのは緊張しすぎの状態です。
緊張しすぎを解消する方法はいくつかありますが、過去問で大問ごとにどんな形式の問題が出るか、どんな順番で出るかを把握しておけば、はじめに何をすればよいか決めることができます。
試験を受ける前に初めに何をするか決めておくことで緊張のし過ぎを回避することができます。