この記事を読んでわかること
- ポジティブ思考は全て良いわけではないことがわかります。
- 計画を立てる場面でのポジティブ思考の悪い側面を知ることができます
ブログを書いている人はこんな人
私は塾を経営しています。
テスト前のギリギリになって慌ててしまったり、ちょっと諦め気味になってしまう生徒もいました。そんな生徒には計画を立てるときにポジティブ思考ではなく、自分に質問してみることで冷静に考えるように指導してきました。
参考図書
ハイディ・グラント・ハルバーソン著 やる気が上がる8つのスイッチ
■結論
ポジティブ思考の良い側面は『自分ならできる』という自己効力感です。
ポジティブ思考の悪い側面はまだ終わっていないのに達成感を感じてしまうことです。
ポジティブ思考は行動に移すとき、自分を奮い立たせるときに使い
何をするか考えるときは良いネガティブ思考で自分に質問しましょう。
良いポジティブと悪いポジティブ
良いポジティブ=自己効力感
成功を体験するとその経験から『自分ならできる』という自己効力感を持つことができます。
自己効力感は目標を達成する能力が自分にあるという『確信』がある状態です。
『なんとなくできるかも』でも『カラ元気』でもなく『できて当たり前という自信』です。
今までに行われた研究によると、自己効力感と成功の相関係数は0.34となっています。
それほど関係がないように見えますか❓
そう思われるあなたに別の例をあげて見ましょう。
ある仕事に必要とされる技能のテスト結果とその仕事での成功の相関係数は0.19に過ぎないのです。
ハイディ・グラント・ハルバーソン著 やる気が上がる8つのスイッチ
相関係数は−1〜+1の間の数値を取り+1に近いほど相関は強くなります。
つまり、実際に物事を達成できる能力がある人よりも、自己効力感の高い人のほうが物事を達成できるということです。
ポジティブ思考=自己効力感は目標を達成するのに一番大きな要素になります。
悪いポジティブ=計画を立てるときに楽観的になる
ポジティブ思考はオールマイティに良いわけではありません。
今回の生徒の場合、計画を立てるときに『計画錯誤』に陥ってしまいました。
計画を立てるときに、かかる時間を短く見積もってしまうことを計画錯誤と言います。
計画錯誤は誰にでも起こりうる心理現象です。
ポジティブ思考で計画を立てようとすると、計画を立てる段階からうまくいったことだけを考えてしまいがちです。
ポジティブに考えた計画でうまくいったことをイメージすると、その計画を達成したと脳は誤認してしまいます。
イメージで達成感を味わってしまうと、次のようなデメリットがあります。
- トラブルが起きても、そのトラブルを乗り越える行動力が失われてしまう
- 予想しないトラブルによって、計画を投げ出したくなる
人の脳は『目標を達成する=ご褒美』を想像して、『やる気』と『集中力』を引き出します。しかしイメージで達成感を味わってしまうとご褒美をもらった状態になってしまいます。
そのため、少しの困難でも乗り越えられなくなってしまうのです。
計画を立てるときは良いネガティブを使おう
平日は毎日3時間勉強しよう
➡️ 質問:時間を確保できるかな❓
前半の2時間は暗記をして後半の1時間で応用問題をやろう
➡️ 質問:それぞれ時間は足りるかな❓
1日1教科勉強すれば5日でちょうど良いな!
➡️ 質問:何か急用ができたらどうしようかな❓