この記事でわかること
- ピグマリオン効果がどんな効果かわかります
- ピグマリオン効果で注意する点がわかります
ブログを書いている人はこんな人
ピグマリオン効果は教育のみならず、企業の人材管理でも使われる用語です。
- 塾経営を6年
- サラリーマン時代に管理職経験を10年以上
- 中小企業診断士という経営管理のプロフェッショナル
の私が教育と人材管理の経験から解説します。
ピグマリオン効果とは
教育に携わる人の中では有名なピグマリオン効果と呼ばれる現象があります。
教育から転じて企業の人材管理でも人材育成という面から注目されている言葉です。
簡単に言うと、
- 教育なら教師が期待した生徒は期待通りに成績が上がるというものです。
- 企業なら上司が期待した部下は期待通りの実績をあげるというものです。
つまり教える立場の人が期待した人は、期待通りに結果を出すという効果を表します。
ピグマリオン効果(ピグマリオンこうか、英: pygmalion effect)とは、教育心理学における心理的行動の1つで、教師の期待によって学習者の成績が向上することである。別名、教師期待効果(きょうしきたいこうか)、ローゼンタール効果(ローゼンタールこうか)などとも呼ばれている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ピグマリオン効果より
ピグマリオン効果の由来
ピグマリオンって変な名前ですが、ギリシア神話に出てくる王様の名前が由来です。
女性の彫像を作った王様は、彫刻に恋をするようになりました。食事を用意したり話しかけたりしていくうちに、彫像が人間になることを願いました。その彫像から離れないようになり次第に衰弱していく姿を見かねた神様がその願いをかなえたという話です。
教育でも同様に、教師が願うことで成績が上がったという実験結果からピグマリオン効果と名づけられました。
ピグマリオンという名称は、ギリシャ神話を収録した古代ローマのオウィディウス『変身物語』(”Metamorphosen”、訳に『転身物語』とも)第10巻に登場するピュグマリオン王の恋焦がれた女性の彫像が、その願いに応えたアプロディテ神の力で人間化したと言う伝説に由来する。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ピグマリオン効果より
ピグマリオン効果を逆の立場から見る
ピグマリオン効果を逆の立場つまり教えられる立場から考えると、教えてくれる人から期待されていると感じているから成績が伸びるとも言われています。
相手の期待に応えようとする人の心理をホーソン効果と言います。
こちらは工場の生産性向上の調査で発見されたので、企業の人材育成の場面で使われる言葉です。
ホーソン効果は、米国のホーソン工場で、労働者の作業効率の向上を目指すための調査から発見された現象であるため、この名がある(ホーソン実験)。調査は工場の何を改善すれば一番効果的かを調査の目的とした。その結果、労働者の周囲や上司が関心を高めることが、物理的要因以上に効果のあることが判明した。このように、人は一般的に関心を持つ人や期待する人の心に応えようとする傾向があるとされる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ホーソン効果より
ピグマリオン効果とホーソン効果に共通しているのは、期待し、期待される関係であることです。
その関係性の中で、相手の態度や気持ちを察して相手の期待に応えようという心理が働くことで結果や成果が生まれるということです。
期待された本人が頑張るのであって、ピグマリオン効果の由来のように神様が介入しているわけではありません。
教える立場の人間は、相手に期待していることを、言葉や態度などで表すことが大切です。
ピグマリオン効果のデメリット
ピグマリオン効果は反論も多くあります。
期待をかけると成績が伸びるのですが、期待のかけかたに注意しないといけません。
デメリット①プレッシャーを感じる
過度に期待し過ぎると、本人がプレッシャーに感じてしまうことがあります。
プレッシャーを感じると、『褒められなければならない』と考えるようになってしまいます。
デメリット②結果重視になる
褒められることが目的になると、褒められるためならなんでもいいと考えるようになってしまいます。
良い結果を報告するために嘘をついたり、ズルをしたりするようになってしまいます。
褒めるポイントが結果ばかりだと、結果さえ出せれば良いという考えに育ってしまいます。
いい大人が、データを改竄したりして、謝罪に追い込まれるような事件もこのような結果重視(成果主義)のせいと言えるでしょう。
デメリットを避けるポイント
デメリットを避けるポイントは褒め方に注意することです。
NGな褒め方は次の3つです。
- 結果を褒める
- 他人との比較で褒める
- 褒め過ぎ
①、②は結果重視の考えになり褒められれば良いという考え方になってしまいます。
③はプレッシャーに感じてしまいます。
良い褒め方は次の通りです。
- 過去と比べて成長したこと
- 自分なりに創意工夫をしたこと
- ジャストタイミングで褒める
①、②のように結果ではなく成長を促すような褒め方を心がけなければなりません。
③のジャストタイミングで褒めるは頑張った直後に褒めるということです。何もしていない時に褒めてもよくありません。
ピグマリオン効果は子育て、保育から企業の人材育成まで幅広く使われていますが、褒め方を間違えるとデメリットがものすごく大きいので注意しましょう。
褒めることとマインドセットの関係について詳しく記事にしているので読んでみてください。
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