本を読んでも理解できない。
字がぎっしりしていて読むのがつらい。
もっと効率的な本の読み方を知りたい。
本ってなんであんなに字がぎっしりで読みづらいんですかね。
読むの大変ですよね。
でも読み方があります。
この記事では本を使って勉強するときの『読み方』の方法を3つ紹介します。
この記事を読んでわかること
心理学者が考えた理解が深まる読み方がわかります。
3つの読み方の共通点から読んで学ぶことの本質がわかります。
ブログを書いている人はこんな人
私は塾を経営していて、心理学的、脳科学的に研究されたインプットの方法を指導をするようになってから、生徒の合格実績が向上しました。
開業2年目以降は9割の生徒が第1志望を合格しています。
この記事ではインプット方法の一つ『読む』について共有させていただきます。
■結論
読み方には『SQ3R法』『PQRST法』『KWL表』の3つがあります。
それぞれ異なる先生が発表した理解の深まる読み方です。
- 勉強の目的を持つ
- 読む
- 振り返る
この3つが共通した手順です。
一つずつ紹介していきます。
本はSQ3Rで『読む』
ウィキペディアにもSQ3Rの読み方は記載されています。
読書を5つの段階、すなわちSurvey、Question、Read、Recite/write、Reviewに分けるのが特徴で、手法名はこの各段階の頭文字をとったものである。 この手法はRobinson (1946) が考案したもので、欧米では広く知られた学習法である
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』SQ3Rより
心理学者のロビンソンという人が、本での勉強を効果的に行う方法を考案しました。
1946年と古い時代からある手法ですが、読書による学習の本質をついており、いまだに有効な読書方法です。
一つ一つの内容を説明していきます。
Survey(ざっくり見る)
目次をみて、それぞれの章に何を書いてあるかを見ます。
本で勉強するときに最初からじっくり読んでいませんか?
じつはあまり効率よくありません。
なぜなら頭の中に何もない状態で読んでも、細かいところまで理解しようとすると時間がかかるうえ、よくわからなくなってしまうからです。
本なら、その範囲の名前やタイトル、太字だけ目を通してみましょう。
そうすることで『先行オーガナイザー』という理解しやすい脳の状態になります。
『先行オーガナイザー』とは
あらかじめ学習範囲の大まかな流れを知っていると、その後の勉強で細かい部分まで理解できるという心理学用語
Question(疑問に思う)
目次や見出しで『なにこれ?』と思った言葉をメモしておきましょう。
『なにこれ?』を作る目的はその日の勉強で覚えることを決めることです。
『なにこれ?』と思うところをピックアップしておけば、読んでいるときに注意が向きます。
1日で全部を覚えようとすると全てが中途半端になってしまいます。
頑張って勉強したのに覚えた手ごたえを感じることができません。
それよりも『なにこれ?』と思ったものを覚えるという目標を立てましょう。
Read(読む)
『なにこれ?』と思ったものを気にしながら読んでいきましょう。
どんな人でも本のように文字がぎっしりつまっている文章を読むのは面倒だし大変です。
ネットの記事は
- 改行してあったり
- 一つの文章が短かったり
- 太字は重要だったり
- 色を付けて強調したり
- 箇条書きにしたり
して読みやすくしています。
本はそうではなく字がびっしり詰まっています。
この中から自分にとって覚えたい『なにこれ?』を中心に読んでいきます。
覚えるために勉強するんですよね。
本を読むことが目的ではないですよね。
つまり『なにこれ?』以外のところは今日の勉強では不要なところです。
関係ないなと思ったら読み飛ばしてしまいましょう。
Recite/write(書く)
章ごとにまとめを書く。見ながら書き写してはダメです。
今日覚えたいことは章を読み終わったらノートにまとめを書きましょう。
読む(インプット)⇒書く(アウトプット)をすることで、『今日の勉強は大事なところだ』と脳に思わせるようにしましょう。
この時の注意点は、いったん本を閉じてまとめを書くことです。
本を見ながら書き写してしまうとアウトプットにはなりません。
Review(復習)
全て終わったらまとめを隠して内容を復唱しましょう。
何も見ないで今日の勉強内容を振り返りましょう。
読んだ内容を書く(手を動かす)復唱(声に出す)のアウトプットを行えば完璧です。
ここまでやれば絶対に覚えられそうですよね!
『PQRST法』の特徴
PQRST法も読む手順の英単語を頭文字でつなげたものです。
- Preview=全体的にざっと目を通す
- Question=質問をつくる
- Read=内容をじっくり読む
- State=質問に答える
- Test=答え合わせをする
SQ3R法とほとんど変わらないのがわかりますか?
私は大学の心理学の先生ではないので英単語以外の違いが良くわかりません。
同じでしょって思います。
ただ違う先生がそれぞれ同じような読み方の手順を提唱したということは、それだけ読み方の本質をついているということです。
小説のような物語の文章は娯楽目的で読みますが、本は勉強するために存在します。
勉強するときは何を勉強するか目的をもたなくては覚えることはできません。
そしてその目的を達成しなくては勉強した意味はありません。
本をいきなり読むのではなく、
- 今日の勉強の目標を立てる。
- 勉強する。
- 覚えているか確認する。
これは勉強の本質でもあります。
ぜひ今日から実践してみてください。
『KWL表』の特徴
KWL表は次の頭文字をとったものです。
- Know(知っていること)
- Want(知りたいこと)
- Learned(学んだこと)
読むときにこの3つの枠を作って読みながらこの枠を埋めていきます。
まずざっと読んでみて知っていることをピックアップします。
勉強するうえで知っていることを改めて読む必要は無いですよね。
知らないことを学ぶのが勉強です。
次に知りたいことをwantのところに記入します。
ここまで書いたら本を読みます。
最後にlearnedのところに覚えたことを書きます。
ウイキペディアにも同様の解説があります。
KWL表は教材を効果的に読ませるために考案された教育の手法である。 K列、W列、L列の3列からなる表の枠を作り、それぞれに知っていることは何か(What I know)、知りたいことは何か(What I want to know)、知ったことは何か(What I learned)を書き込ませる[1]。 予習としてKとWを列挙して目的や興味を喚起し、復習としてLを列挙することで達成項目を明確にする。 K、W、Lのうちいずれかが抜けたり、別の列が加わったりと、利用のしかたはさまざまである。研究の計画や情報の整理、テスト勉強などにも応用できる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』KWL表
SQ3R法、PQRST法との違いは知っていることを書くことです。
繰り返しになりますが、知らないことを学ぶために時間を使いましょう。
知っているところは読み飛ばしてしまって構いません。
まとめ
以上3つの読み方を紹介しました。
3つと言っても、読む手順は同じでした。
- 今日何を勉強するか目標を作る
- 本を読んで勉強する
- 読んだ内容を振り返る
一番大切なのは目標を作ることです。目標無しに読むと学びにつながりづらいです。
今から70年以上前から現在にいたるまで効率的な本の読み方として知られている方法です。
廃れないのはこの方法が普遍的で、
- 記憶の性質
- 脳の性質
を利用した勉強の本質だからだと思います。
ぜひ今日から実践してみてください。