この記事を読んでわかること
- 中学受験はいつから始めるか
- 中学受験は何から始めるか
ブログを書いている人はこんな人
塾を経営して6年になります。個別指導塾で中学受験を希望される生徒もいました。みんな第1志望に合格しています。その経験から中学受験で始めに何をするかについて共有します。
■結論
- 中学受験は3~4年生から始めると良い
- 勉強の習慣作りと勉強の仕方から始めよう
- 勉強とはインプット⇒アウトプット⇒フィードバックのサイクル
- フィードバックにはメタ認知が必要
- 親や塾だけのフィードバックでは遅い
- セルフフィードバックのレベルが勉強の質を上げる
- 塾に行かなくても習慣作りはできます
中学受験はいつから始めると良いの?
まず結論ですが大手塾と同じように小学3~4年生ごろから始めると良いです。
大手塾の中学受験講座が小学3~4年生から始めている理由
大手塾の中学受験講座は小学3年生くらいから講座があります。
そんなに早くから何を教わるの?と思うかもしれません。
学習内容そのものは難しいものではありません。
- 勉強の習慣
- 勉強の仕方
この2つを作るために小学3~4年生の講座はあります。
この2つが中学受験の第1段階です。
中学受験の第1段階①
勉強の習慣は朝学習を推奨するところが多く見受けられます。
朝は脳が一番クリアな状態なので勉強に一番良い時間帯です。
朝に毎日勉強する生活習慣を作ることができれば、無理なく高効率な勉強時間を確保できます。
生活習慣なので家族の協力も当然必要になります。
生活習慣を子供の勉強中心にすることは家庭内のことなので進学塾ではアドバイスすることしかできません。しかし中学受験を成功させるために一番大事な要素になります。
(※習慣化行動は脳の基底核というところを使います。ここはドーパミンという学習でも使う脳内物質に関係ある部分です。学習と習慣化は相関があります。詳しくは別記事で書く予定です。)
中学受験の第1段階②
進学塾で教えるのは勉強の仕方です。
ここでのキーワードは「メタ認知」です。
勉強とはインプット⇒アウトプット⇒フィードバックの繰り返しです。
インプットは授業で先生の話を聞いたり、教科書を読んで学ぶことです。
つまり、新しい情報を脳に入れることです。
アウトプットは問題を解いたり、自分の知っていることを書き出したりすることです。
つまり、脳の中にある情報を外に出すことです。
受験本番は自分の脳の中にあるものをテストの解答用紙に書き出すのでアウトプットです。
フィードバックはアウトプットで間違えた、失敗したという時に次に向けて
- 「正確に覚えるには?」
- 「間違えないためには?」
などを考え次のインプット、アウトプットの質を上げるものです。
勉強しても成績が上がらないのはインプットとアウトプットしか行っていないからです。フィードバックの仕方を覚えることが重要です。
インプット⇒アウトプット⇒フィードバック⇒インプット・・・のようにサイクルをぐるぐる回していくことが中学受験には求められます。
このフィードバックを少しずつ教えていくのが小学3~4年生に行うことです。
親や塾のフィードバックだけでは遅い
親や塾の先生が子供の間違えたところを見て、「もっとこうしてみたらどう?」というように次のステップに向けてアドバイスをします。これもフィードバックです。
しかし親や塾の先生のフィードバックだけでは中学受験の勉強は間に合いません。回数が圧倒的に少ないのです。
インプット⇒アウトプット⇒フィードバックを自分で高速で回すことができる生徒は、1回の授業でより多くの情報を取得することができるようになります。
アウトプットもミスなく正確にできるようになるので、高学年の応用中心の勉強もはかどるようになります。
セルフフィードバックが勉強の質を上げる
毎回アウトプットのたびに親や塾の先生のフィードバックを待つのではなく、自分でフィードバックができるようになると、自分で勉強サイクルを高速で回すことができます。
自分で「次は別の方法を試してみよう」というように工夫ができるようになれば自分で勉強法を作り上げることができます。早くできるようになれば難関校へのチャレンジも見えてきます。
セルフフィードバックにはメタ認知が必要
セルフフィードバックには「メタ認知」と言って自分を客観的に見る力が必要になります。
例えば「なぜ間違ってしまったのか」と考えるのは高学年から上の年齢の人なら普通にできますが、低学年の子供ではまだできない子もいます。
なぜなら、フィードバックは自分を否定的な目で見ないといけないからです。
自分を否定的な目で見るとメンタルにダメージを受けます。ダメージを受けないために、もう一人の自分をつくり、客観的に過去の自分を見るようにしています。これを「メタ認知」と言います。
小学校低学年ではまだ自分を客観的に見ることができません。
メタ認知で使われる脳の前頭前野という部位に関係しています。
前頭前野は脳の中で一番最後に成長する部分で、8~15歳の間で一気に体積を増やして成長します。成長も個人差があるので子供によって成長の度合いも違います。
ですから子供の成長に合わせて、自己に客観的に向き合わせてあげないとストレスがたまり勉強が嫌いになってしまいます。
こういったところは進学塾の先生の方がたくさんの生徒を見ている分だけ専門性があるのでお任せしたほうが良いのではないでしょうか
中学受験を始めるためにまずやること
中学受験は大きく2段階あります。
第1段階は勉強の習慣や勉強の仕方を覚える時期
この記事では脳の基底核と前頭前野を例に出しましたが、脳を質的に成長させることで『勉強する器』が作られます。
第2段階は難しい応用問題の解き方などを学び本番でも結果を出せるようにする時期
第1段階で勉強する器ができていれば、あとは授業を聞いてその器にどんどん受験のための知識を入れていくだけです。
小学3~4年生から始めると第1段階をじっくり取り組めるというメリットがあります。
小学校高学年から始めようとすると第1段階と第2段階を同時に行う必要が出てきます。
中学受験を少しでも考えているようなら、第1段階を意識して早めに取り組むことが重要です。
第1段階のうち勉強の習慣については家庭内での取り組みです。
中学受験を考えているけど塾はまだいいかなと思っている場合は、最低でも早い段階で勉強の習慣を作っておきましょう。