- 部活がつらい、やめたいなぁ
- 我慢して続けないといけないのかなぁ
部活大変ですよね。
練習が長くてキツかったり、先輩や後輩との関係で悩んだりしますよね。
だけど我慢して続けるのは良くないですよ。
もしあなたが我慢して部活を続けようとしているなら、一度この記事を読んで考えてみてほしいです。
この記事を読めば、我慢ではなく頑張ろうと前向きになれるかもしれませんし、やっぱり辞めようと決心できるかもしれません。
ブログを書いている人はこんな人
私は塾を経営していて、いろいろな生徒を見てきました。部活を楽しんでいる生徒もいましたが、一方で部活で消耗しきっている生徒も少なくありませんでした。
様々なアドバイスをしてきたなかで、いくつかポイントが有ったのでこの記事で共有したいと思います。
部活がつらくて悩んでいます。やめたいけど不安です。我慢して続けるべき?
結論から言うと我慢して続けるのは良くないです。
我慢をするだけだと、これからもつらいことが続きます。何らかのアクションをとらないと誰もあなたが大変だと気づいてくれません。
我慢とひとことで言っても2種類あります。
悩みの大きさ(コスト)と部活にいる目的(メリット)に分ける
『この薬は苦いけど飲めば病気が治る』
薬が苦いことを我慢(コスト)すれば病気が治る(メリット)という関係が成り立ちます。
例えば先生が生徒を我慢させたいときによく使う言葉で『あの時我慢したから今は良かったと思える』というのは
- あの時我慢したから(コスト)
- 今は良かったと思える(メリット)
というように分けることができます。
悩みの大きさに比べて得るものが少なかったり、部活にいる目的を見失ってしまうとコストが大きくなって「部活やめたい」というように考えてしまいます。
悩みのもとを変えることが大変だからそのままにする
我慢の意味のもう一つは『薬は苦いから(イヤだから)病気を我慢する(現状維持)』です。
これがダメなのは分かりますよね。
『薬を飲んで(行動して)病気を治す(変える)』にしていきましょう。
部活で嫌がらせを受けているなら
- 先輩が嫌がらせをしてくるけど我慢しよう
- 先輩が嫌がらせをしてくるから嫌がらせをしてこないように何とかしよう
1番は我慢していてもこの先ずっと続きますよね。
『部活がつらくて辞めたい!我慢して続けるべき?』の我慢が
- コスト(悩みの大き)とメリット(部活にいる目的)
- 悩みのもとを変えることができないから現状維持
どちらの我慢なのか考えることから始めましょう。
部活の悩みで多い
- 部活動の時間・日数が長い(主に運動部)
- 他の生徒との関係(主に文化部)
を例にあげていきます。
部活で悩んでいる人は、はじめにどの我慢をしているのか考えてみてください。
部活の悩みをコストとメリットに分けて考えよう
自分が負担に感じていること以上の見返りがあれば、それは『我慢』ではなく、『頑張る』になります。
「自分が負担に感じていること」と、「部活を続けることで得られること」をよく考えてみてください。
『部活動の時間・日数が長い』ことが辛い場合
コスト・・・時間の多くを部活に使うことで失うものです。
例えば睡眠不足になれば次の3つを失います。
- 健康
- メンタル
- 学業成績
メリット・・・部活を続けることで得られるものが何かを考えましょう。
それは自分が部活をする目的と一致していると思います。
もっとうまくなりたい、試合に勝ちたい 達成感や満足感を得る
もっと丈夫になりたい 今だけでなく将来にわたっての健康を得る
仲間と一緒に頑張りたい、仲良くやっていきたい コミュニケーション能力を得る
これらを比べてみてると良いでしょう。
部活を頑張って得る達成感、健康、親しい人とのコミュニケーションは将来にわたって経験という財産になります。
ですので、次の2点も考えてみましょう。
- 部活じゃないと得られないものなのか
- 部活に多く時間を使わなければ得られないものなのか
財産になることはいろいろな人に言われていると思います。
他に替えがきかないものか、今の部活でしか得られないものなのかコストも含めて考えてみましょう。
少ないコストでメリットを得られる方を選んだほうが良いですよね。
その部活はすぐにやめるべきという例外
将来にわたってダメージが大きすぎるものは、練習時間を変えるか部活を辞めるかどちらかにしましょう。
睡眠不足になるくらい部活に時間を使っている
睡眠について詳しく記事にしました。リンク先を読んでみてください。
いつも眠いんだけど睡眠時間は何時間取れば良いの?睡眠不足が悪い事はわかるけど具体的に何が悪いの? こんな疑問にお答えします。 この記事を読んでわかること 理想の睡眠時間は人それぞれということがわかります。1[…]
睡眠不足は学業はもとより健康、メンタルに大きなダメージを与えます。それは自分の将来の可能性も潰すことがあります。
部活の練習時間が長すぎる
週16時間を超える運動は、オーバートレーニングであるという研究結果が多くあります。
そしてその研究結果と提言をもとにスポーツ庁は『運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン』として平日は2時間まで、土日は3時間までと時間の上限を提示しています。
提言はこの記事の終わりに記載するので興味があれば読んでみてください。
考える材料をノートに書いて考えよう
この章ではコストとメリットについて解説しました。
コストは何か、メリットは何かを自分で比較して考えてみましょう。
考えるときは頭の中で考えるのではなく必ずノートに書いて考えるようにしましょう。
人それぞれ何が大切か違います。他人の意見は参考程度にして自分でよく考えましょう。。
自分でよく考えて結論を出すことができれば、やめるにせよ続けるにせよそれが正解です。
不正解なのは、何も考えずに、衝動的にやめてしまったり、現状維持のままにしてしまうことです。
自分で考えてみてわからなくなってしまったら、家族や周りの人に相談してみましょう。
いきなり聞くのではなく、まず自分で考えることが大切です。
部活の人間関係の悩みを解決するには行動するしかない
『薬は苦いから(イヤだけど)病気を我慢する(現状維持)』を
『薬を飲んで(行動して)病気を治す(変える)』にしていきましょう。
練習時間が16時間を超えているときは、みんなで話し合って練習時間を短くできれば我慢をしなくて良くなります。
練習時間の他に部活の悩みで多いのは人間関係です。
とくに文化部では多いようです。(資料はページ下部に記載しています。)
ここでは2つの例で考えましょう。解決策は『話す』『相談する』です。
- 嫌な先輩がいて嫌がらせを受ける
- 作業を押し付けられている
部活に嫌な先輩がいる場合
結論から言うと「相談しよう」です。
人間関係の場合、一人で悩んで「なんで嫌われているんだろう」と考えているだけでは何も変わらず、ずっとそのまま続きます。
なんらかのアクションを取らなければ現実の世界を変えることはできません。
ですので先輩から嫌がらせ受けている場合は、先生や友達に『嫌がらせを受けて困っている』と相談する行動を起こすしかありません。
自分に危害が及ばなそうなら本人に直接やめてほしいと言ってみるのも良いです。
なんで自分は嫌われているのだろうと考えなくて良いです。
人間関係には2:6:2の法則が当てはまると言われています。
- 自分が心を開けるくらい親しい関係の人が2割
- すごく親しいわけでもないが嫌いなわけでもない人が6割
- あまりウマが合わないと感じる人が2割
という感じです。
あなたも部活やクラスで、仲の良い友達もいれば、すこし苦手だなと思う人もいると思います。
嫌がらせをしている先輩にとって、あなたが少し苦手だなと思う人だっただけです。
なので嫌がらせという実害を無くす為の行動だけとりましょう。
嫌がらせを受けているのに無理して先輩にあわせたりしなくても良いです。
部活のこまごました作業を押し付けられる
『みんなで話し合って決めたことだから』と言って負担を一手に引き受けるのはやめましょう。
部活のみんなで話し合ったからと言って正しい結論が出るとは限りません。
集団浅慮と言って一人で考えるよりも、集団で決めたことのほうが間違った結果を生む場合があることが証明されています。
自分も意見を出したからしょうがないと思っている場合でも、
共同思考と言って、自分で考えているのか集団に考えが流されているのか分からなくなる場合があります。
他にも、同調圧力と言って、自分だけ違う意見を言おうとしても言えないこともあります。
つまり、みんなで話し合って決めたことでも、それが絶対に正しい結論ではないということです。
負担に感じたらみんなに負担に感じていることを話すという行動を起こしましょう。
話すことが難しいなら顧問の先生や親に相談してみましょう。
つらいときは話したり書いたりすると良い
嫌だな、辛いなと思った時は、話したり、書いたりすることで心が軽くなります。
頭の中で考えているだけでは変えることはできません。勇気を出して話してみましょう。
案外あっさり解決することが多いということに気づくはずです。
部活に関する資料
オーバートレーニングに関する国際的な研究結果
公益財団法人日本体育協会
<研究1>Rose 他(2008年)
スポーツ活動時間が長いほどスポーツ外傷・障害の発生率が高く、特に、16時間/週以上でより高くなるということが示された。
<研究2>Loud 他(2005年)
16時間/週以上の活動をしている女子は、16時間/週未満の女子に比べて疲労骨折の罹患率が約2倍であった。
スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間について(文献研究)」
<提言1>
公益財団法人日本体育協会
国際オリンピック委員会(2008年)
『エリートのジュニアアスリートに対する声明』
ジュニアアスリートの育成に関して、保護者やコーチ等の関係者は、適切な栄養、十分な睡眠、学業、心身の健康と社会活動への参加等を含めた、バランスの良いライフサイクルで
過ごすことができるようにすること、練習量を制限し、楽しく満足して活動ができるようにすること等を提言している。
スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間について(文献研究)」
<提言2>
公益財団法人日本体育協会
米国小児科学会 (2007年)
『ジュニアアスリートにおけるスポーツ障害、オーバートレーニングとバーンアウトについて』ジュニアアスリートの心身の回復という観点からは、少なくとも週に1、2日はスポーツ活動を全く行わない休養日を設けること等を提言している。
スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間について(文献研究)」
<提言3>
公益財団法人日本体育協会
全米アスレティックトレーナーズ協会(2011年)
『ジュニア期のスポーツ障害予防に関する声明』少なくとも週に1、2日は休養日を設けること等を提言している。
スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間について(文献研究)」
<提言4>
公益財団法人日本体育協会
アメリカ臨床スポーツ医学会(2014年)
『ジュニア期のスポーツ障害とバーンアウトに関する声明』16時間/週以上のトレーニングを行うと、医療ケアを必要とするスポーツ障害のリスクが高まることに留意すべきで
あること等を提言している。
スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間について(文献研究)」
これらの提言を受けスポーツ庁は運動部の練習におけるガイドラインを以下の通りとしました。
3 適切な休養日等の設定
運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン スポーツ庁
運動部活動における休養日及び活動時間については、成長期にある生徒が、運動、食事、休養及び睡眠のバランスのとれた生活を送ることができるよう、スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間に関する研究も踏まえ、以下を基準とする。
○ 学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける。(平日は少なくとも1日、土曜日及び日曜日(以下「週末」という。)は少なくとも1日以上を休養日とする。週末に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振り替える。)
○ 長期休業中の休養日の設定は、学期中に準じた扱いを行う。また、生徒が十分な休養を取ることができるとともに、運動部活動以外にも多様な活動を行うことができるよう、ある程度長期の休養期間(オフシーズン)を設ける。
○ 1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、学校の休業日(学期中の週末を含む)は3時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な
活動を行う。
この記事の「部活の目的」と「部活の悩み」は以下を参考にしました。
部活についての悩み(上位を抜粋)
出典:スポーツ庁「平成29年度運動部活動等に関する実態調査」
部活動の時間・日数が長い 19.5%
学業との両立 16.7%
体がだるい 15.6%
眠くて授業に集中できない 12.1%
部活の目的
出典:スポーツ庁「平成29年度運動部活動等に関する実態調査」
1位 大会・コンクールで良い成績を収める(30.2%)
2位 体力・技術を向上させる(26.3%)
3位 チームワーク・協調性・共感を味わう(18.4%)