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Googleの『マネージャーについての研究』を生徒指導に生かす

塾を経営して6年たちました。6年間生徒たちへの指導をするかたわら、塾で子供たちに指導する講師たちにも、講師としての心構えや教え方を指導してきました。

塾を始める以前も、サラリーマン時代に部下の教育と管理、中小企業診断士として人材管理の助言なども行ってきました。

マネージャーは部下を教育して求められる成果を上げるという役割があります。

部下への教育はスキルの伝承よりも、モチベーションを高め、自ら考え行動し結果を出す力を育てることに重点をおきます。

モチベーションを高め、自ら考え行動し結果を出す力を育てることは生徒への教育でも必要と感じます。

つまり優れたマネージャーの要素は教育者にも必要な要素が多いというわけです。

Google のマネージャーについての研究

Google のマネージャーについての研究

皆さんご存じGoogleですが、マネジメントについて研究しています。

『優れたマネージャーの要件を特定する』というページがあり、そこではGoogle社内で評価の高いマネージャーに共通している10 の行動様式について書いてあります。

優れたマネージャーの要件を特定することは、マネージャーに期待されるものを明確に伝えるためのカギとなります...…

  1. 良いコーチである
  2. チームに任せ細かく管理しない
  3. 健康を含めた充足に配慮しインクルーシブ(包括的)なチーム環境を作る
  4. 生産性が高く結果を重視する
  5. 効果的なコミュニケーションをする-人の話をよく聞き、情報を共有する
  6. キャリア開発をサポートしパフォーマンスについて話し合う
  7. 明確なビジョンや戦略を持ち、チームと共有する
  8. チームにアドバイスできる専門知識がある
  9. 部門の枠を超えてコラボレーションを行う
  10. 決断力がある

1~10までありますが、この順番は重要度順に並んでいます。

例えば、10番の『決断力がある』よりも1番の『良いコーチである』ほうが良いということです。

これらを教育に生かしていくポイントについて解説していきます。

教育に生かせるポイント

教育に生かせるポイント

この章では私が心がけていることを交えて、教育に行かせるポイントを6つ解説します。

  1. 良いコーチである
  2. 細かく管理しない
  3. 健康を含めた充足に配慮する
  4. 明確なビジョンや戦略を持ち共有する
  5. アドバイスできる専門知識がある
  6. 枠を超えたコラボレーション

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1.良いコーチである

ノーベル物理学賞を受賞したカール・ワイマンは、教師を理解や判断、論理を鍛える『認知力のコーチ』と考えるべきだと言います。

スポーツのコーチのように『できるようになることを手助け』することのほうが必要であると言っています。

『できるようになることを手助け』するは客観的なフィードバックを与えることが必要です。フィードバックによって気づき、モチベーションの向上をはかってあげることが大事です。

関連記事:勉強の振り返りとフィードバックまとめ

教えるだけの人にならない

.さらにカール・ワイマンは『教師=知識や情報を伝授する人』と思うことが問題であるとも言っています。

学校の先生が前に立って、板書したり、教科書の内容を解説してくれますよね。

しかしそれだけが先生の仕事ではないのです。

先生は知識や情報を伝授するだけの人と思っているとフィードバックを聞き流してしまい成長できません。

関連記事:勉強における先生の役割

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生徒の成長段階に応じて、知識の伝授とフィードバックの比率を変えていく必要があります。

例えば、全く新しい範囲で右も左もわからないなら、手取り足取り丁寧に教える必要があります。受験勉強のように一度習った範囲を深く学習するなら自分で解決できる方法を教えたほうが効果的です。

『SL理論とは』という記事で詳しく解説しています。(SL理論とは

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2.細かく管理しない

この項目はモチベーションの観点から重要です。

例えば、『志望校に必ず合格できる○○メソッド』のようなものがあり、勉強する順番や方法などをガチガチに決められている。このような状況でモチベーションをたもてるでしょうか?

おそらく多くの人はNOだと思います。

人は選択する自由を欲します。だからこそ任せることが大事です。

とは言え、『任せる』と『放置』は違います。

本人に選択の余地を残しつつ、自分で選んだ感覚を持たせることが重要です。

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3.健康を含めた充足に配慮する

自分の都合を押し付けず『健康を含めた充足に配慮する』ことが必要です。

『健康を含めた充足に配慮する』・・・特に睡眠について配慮できていない学校や塾が多いです。

質の良い睡眠を取ることは集中力や記憶にとても重要です。しかしそんなことお構いなしに自分の都合を押し付けてしまっていると感じます。

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具体的には、2〜3年前までの部活22時まで授業をしている塾です。

私が見ていて気になった例をあげます。

22時まで授業をしている塾

私はいつも22時過ぎに千葉県にある柏駅前を通って自宅に帰っていました。

そこで見るのは塾の授業が終わったと思しき生徒たちです。高校生、中学生はては小学生に見える生徒もちらほらいました。

それをみて私は『この子たちは今から家に帰って寝るのは何時なんだろう?』と考えてしまいます。

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睡眠に関する記事でも書きましたが、睡眠は量、質ともに大事です。

0時過ぎに寝るようでは『健康を含めた充足に配慮する』ことはできていないでしょう。

睡眠、健康、記憶などは近年研究が進んでいます。新しい情報をキャッチアップできていない塾であり、そんな塾に通わせている保護者なんだなと思います。

学校の部活は改善傾向

部活は改善傾向にあります。

国際的な運動に関する研究結果から、スポーツ庁で次の2つのガイドラインが設定されて学校側も守っているようです。(部活の関連記事

  • 週当たり2日以上の休養日を設ける
  • 1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、学校の休業日は3時間程度

自分の経験や価値観を押し付けない

部活の例のように、最新の情報をもとに指導すべきであり、自分の過去の経験や価値観ばかりを押し付けていないかセルフチェックをすべきでしょう。教育関係者はもとより、保護者も最新情報をキャッチアップする努力はするべきです。

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7.明確なビジョンや戦略を持ち共有する

  • 教えるにあたってどんなビジョンを持っているか明確にする
  • ビジョンや戦略を生徒や保護者と共有する

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教えるにあたって、どんな風に育ってほしいか明確にして伝えることが必要です。

ビジョンだけを伝えても相手には届かない

ビジョンを伝えて納得してもらうのは難しいです。

なぜなら、ビジョンというのは『長期の目標』であり『目指すべきところ』なので具体的ではないからです。

『自ら考え行動し結果を出す力を身につけてほしい』といったところで、それで志望校に受かるの?と思われるだけです。

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生徒はより具体的で短期的なメリットを欲しがります。

具体的で短期的なメリットを予感させる言葉は、志望校への合格㊙必勝法や○○メソッドのような点数を取るための方法です。

生徒に求められるからと言ってこのような具体的で短期的なメリットばかりを勧めるのは良くないです。

長期目標と短期のメリットの両方を共有する

私が大学受験生に教える場合は次のように長期と短期を組み合わせます。

  1. 大学は勉強する場所だけど教わる場所ではないよ(長期)
  2. だから勉強の仕方を身につけておかないと、大学で何も得ないまま社会人になって苦労するよ(長期)
  3. ㊙必勝法があるとしても、それで合格したら辛い未来が待っていると思わない?(長期)
  4. 参考書を自力で読めて自分で学び取る力が身につけば、大学でも図書館で調べながらやっていけるよ(長期)
  5. じゃあこの参考書を使って勉強の方法を身につけながら合格を目指そう(短期)
  6. この参考書なら・・・・(具体的な指導)

合格には複数の道のりがあるけれども、長期的なことを考えさせてより良い道を示し、共有することが必要です。

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8.アドバイスできる専門知識がある

塾に通う皆さんが期待している㊙必勝法や○○メソッドのような受験やテストの点数を取るための方法というのは、教育関係者ならではの専門知識と言えるでしょう。

序列が8番目というのがポイントです。子供たちが成長することが成果だとすれば、序列1番目の『コーチ』2番目の『細かく管理しない』7番目の『明確なビジョンや戦略を持ち共有する』ほうが大事ということは間違いないです。

9.枠を超えたコラボレーション

子供たちから見える世界というのは家庭、学校がメインで部活や習い事などが続きます。

子供の見える世界を広げてあげることも良いですよね。

千葉県だと中学2年生の時に職場体験をしています。良い刺激を受けているようですね。

私の塾に通っていた生徒の例だと薬局の職場体験をしたのですが、その時の体験がきっかけで薬剤師にあこがれて勉強も頑張るようになりました。

職場体験のような子供の視野を広げてあげるコラボレーションイベントができると良いですね。

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