- 子供が勉強をやりたがらない
- 勉強が嫌いとはっきり言う
- 勉強は大事だからもっと勉強してほしい・・・
私も塾の現場で保護者の方から、勉強が嫌いだから勉強嫌いを直してほしいという問い合わせを多くいただきいます。
生まれ持って勉強が嫌いということはあり得ません。勉強を嫌いになるのはさまざまな積み重ねの結果です。8~9割は周囲の環境に影響され嫌いになっています。
まずそこを直さなければ勉強嫌いを直すことはできません。
勉強嫌いの種類ごとに理由と対処法を解説します。
勉強を嫌いになる3つの理由と対処法
- 勉強がわからないから嫌い
- 勉強しても結果が出ないから嫌い
- 勉強以外のことに興味があるから勉強が嫌い
この3つが問い合わせでよくある勉強が嫌いになる理由です。
理由ごとに原因と対処法が異なりますので一つ一つ解説していきます。
勉強がわからないから嫌い
勉強がわからないと感じる理由は、課題のサイズが大きすぎることが挙げられます。
『勉強がわからないから嫌い』という子供をうまく教える先生は
生徒の知識レベルにあわせてちょうどよい難しさの課題を与える先生です
ちょうど良い難しさの課題を与えることができないと、
- 理解できない
- どうしていいかわからない
という状態になり、勉強が嫌いになってしまいます。
例えば読書感想文です。
読書感想文が嫌いな子供多いですよね。
なぜなら夏休みの宿題で読書感想文を書かないといけないからです。
本1冊全部読まないといけないし、読んだ後に感想文として文章をたくさん書かないといけないからです。始める前から量がものすごく多く感じて、後回しにしてしまいます。
読書が嫌い、または苦手な子は、『本を読むのが大変』と思って後回しにしてしまいます。
文章を書くことが嫌い、または苦手な子は、『400字も書かないといけない』と思って後回しにしてしまいます。
これが課題のサイズが大きい状態です。課題のサイズが大きいと
大変だ⇒やりたくない⇒嫌いと思ってしまうのです。
課題のサイズをちょうど良いサイズにする例は次のようになります。
と一言加えることで簡単になります。
全部読まないといけなかったはずが、主人公に注目して3つ好きなところを見つければ終わりです。
400字書かないといけないはずが、好きなところを理由とあわせて100字くらいを3セット書けば終わりになります。
本を読んで400字書くことは同じなのに、課題のサイズを小さくすることで簡単に感じることができます。
勉強がわからないから嫌いの対処法
生徒にあわせて課題のサイズを小さくすることは平等主義の学校の先生では難しいでしょう。
課題のサイズをうまく調整してくれる個人指導の先生に見てもらうのが良いでしょう。
親が勉強をサポートするなら、やり方を教えるのではなく課題のサイズを本人ができそうと思えるまで小さくしてあげてください。
課題のサイズの調整については、小学生だけでなく中学生でも高校生でも同様にできると思えるサイズまで調整しましょう。最終的には自分でやりやすいサイズに分解できることを目指しましょう。
社会人の場合でも課題のサイズが大きいまま仕事が振られることがあります。これを無理難題と言います。課題のサイズを切り分けて説明してくれる上司の方が人気がでますよね。
(きちんと勉強してきた大人なら、課題のサイズを分解して取り掛かりやすくすることは当たり前のようにできます。しかし残念ながらできない大人もいるんですよね)
勉強しても結果が出ないから嫌い
周りから見たらそんなに勉強したように見えなくても、本人としてはものすごく頑張って勉強したかもしれません。
頑張って勉強した結果、本人や親の期待した点数や成績でなかったとき
『勉強しても結果が出ないなら、勉強しても意味がない!だから勉強は嫌い』と思うようになってしまいます。
『勉強しても結果が出ないから勉強が嫌い』のときは、
- 良い先生に詳しく教えてもらえばよい
- 結果が出るような頑張り方を教わればよい
という考え方では解決できません。
なぜなら点数や成績などの結果を重視してしまっているからです。
点数や成績ばかり気にしてしまう思考の人は、自分の能力は固定的であり、常に自分の能力を証明し続けないといけないと考えます。
この勉強嫌いの根本原因は『結果が出ない』ではなく、『結果を重視する思考』にあります。
- 勉強をたくさん頑張ったら何ができるようになったのか?
- 勉強したことで過去の自分と比べてどこが成長したのか?
点数や成績のような他者が作った基準で判断せず、過去の自分と比べてどう成長したかを重視することが大切です。
結果を重視してしまうことを『固定思考』とか『硬直マインドセット』と言います。
過去の自分と比べることを『成長思考』とか『しなやかマインドセット』と言います。
よっぽどの天才でもない限り、『固定思考』で育ってしまうと勉強もそれなりのところで壁にぶつかりそのままになってしまいます。
小学校中学校くらいなら固定思考でもついていけますが、高校生、大学生、社会人と年齢を重ねるごとに成長思考の人との差が大きくなっていきます。
子供が固定思考になってしまう理由
『勉強しても結果が出ないから勉強が嫌い』タイプは9割以上親の影響です。
なぜなら親のほめ方、しかり方、興味を子供は感じ取るからです。
親が結果を求めるから、結果重視になってしまうのです。
言っていなくても態度で感じ取ります。つまり親の思考をそのまま引き継いでいるのです。
勉強しても結果が出ないから嫌いの対処法
この勉強嫌いの解決方法は、固定思考になっていないか親が自分自身に問いかけ、考えを直していくしかありません。
子供への接し方については記事を書いてあるので読んでみてください。
褒めかた、接し方を通じてしかこの勉強嫌いのタイプは解決できません。
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他のことに興味があるから勉強は嫌い
この勉強嫌いは心配しなくても良いです。
むしろ熱中できることがあれば、とことん極めることをアシストしてあげてください。勉強に必要な力が養われます。
勉強しないといけないときは進路を決めるときです。その時に熱中してなにかを極めようとした経験があれば、それを応用して勉強にあてはめればすぐに追いつきます。
実際私が教えた生徒でも、県大会に優勝したり、全国大会に行ったりした生徒はあっという間に成績が上がっていきました。
それでも勉強も頑張ってほしいと思っているなら固定思考に気を付けてください。
子供が成長思考でも親が固定思考ならそれに影響されて子供は固定思考になり、興味のあることも勉強も両方伸び悩みます。そしてだんだん興味がなくなり嫌いになっていきます。
勉強が嫌いになる3つの理由まとめ
勉強が嫌いになるのは次の3つの理由が多いです。
- 勉強がわからないから嫌い
- 勉強しても結果が出ないから嫌い
- 他のことに興味があるから勉強が嫌い
それぞれの解決策は
- ちょうど良い難しさの課題に分解する
- 結果重視から過去の自分と比べる成長重視に変わる
- 一つのことを極めることをアシストする
生まれ持って勉強が嫌いな子供はいません。
嫌いになる理由は様々ですが、本人ではなく周りの影響によるものです。
それぞれのタイプに合わせて対処しましょう。