塾で仕事をしていると、勉強するのは『将来のために』というぼんやりした理由で頑張ろう(頑張らせよう)としている人が多いです。
『将来のため』という先のことかつ、あやふやなものではモチベーションは上がりません。
なぜならモチベーションは、すぐご褒美にありつけて、具体的に何をすれば良いかがわかっているときに最も高まるからです。
『将来のために今頑張る』場合、すぐにご褒美にありつけませんが、具体的に何をすれば良いかが分かれば、モチベーションが上がります。
『将来』は働いて自分で食べていかなくてはなりません。そこから目を背けることはできないのでまずは働くについて考えて『将来』を具体的にしましょう。
働く=苦痛になってしまうと辛いので楽しいことを仕事にできると良いです。
そのためには『楽しい=好き』なことを見つけることが必要になります。
『生きていく(食べていく)ため』には働く必要がある
『生きていく(食べていく)ため』には働く必要があります。
『働くもの食うべからず』と言う言葉もありますし、日本国憲法には勤労の義務もあります。
『生きていく(食べていく)ため』には働く必要がある。この現実から目をそらしてしまいがちです。『大人になりたくない』『働くのは大変』というのはその表れです。
働くについて深く考えることで『大人になりたくない』『働くのは嫌だ』を解決しましょう。
そしてその先にモチベーションにつながるものが見つかるハズです。
3つの働く
働くことについて考えると言っても、いろいろな考えや意見がありますが、ここでは次の3つの働くについて解説します。
- ライスワーク
- ライクワーク
- ワイフワーク
ライスワーク
ライス(ご飯)ワークの名の通り、食べていくために働くことをライスワークと言います。
『食べていくにはしょうがない』『お給料のために頑張る』このように考えてしまうとモチベーションは上がりません。しかしそこをぐっとこらえて仕事をしている人が多くいます。
『大人になりたくない』『働くのは大変』と思ってしまうのはこのライスワークの人を見ているのではないでしょうか?
企業では、ライスワークで働いている人が多いため、従業員のモチベーションを上げる施策(成果主義、MBO、OKRなど)を行なっています。
関連記事:OKRとは
関連記事:MBO(目標管理)とは
ライスワークと思って頑張っているうちに、その仕事が好きになったり、使命感を持って仕事に取り組むようになる人も多くいます。
関連記事:嫌いが好きになる心理
ライクワーク
ライク(好き)ワークの名の通り、好きなことを仕事にしていることをライクワークと言います。
『好きなことをやっていたら、食べていくだけの収入も得られた』のようになることを目指して頑張っている人もいます。
好きなことをやるのが目的であって、収入は副産物と言う位置づけです。
好きなことをするときはモチベーションも簡単に上げることができます。
代表的な2つの例をあげておきます。
『好きなことで生きていく』
堀江貴文さんの著書『好きなことだけで生きていく。』
ライフワーク
ライフ(命の)ワークです。自分が心から取り組みたいこと、使命感を持って取り組めることです。
自分の達成したい目的があり、目的の達成を第一に考えていて、その目的を成し遂げるために行動します。
有名な人の例として、アフガニスタンで活躍されていた故中村哲(医師)さんがいます。
アフガニスタンでの医療活動だけにとどまらず、用水路を建設するなど幅広い活躍をされました。
医療=人を救う 水=病気が減る=人を救う
目的は同じなのです。目的を成し遂げるために聴診器、メス、ショベルカーなんでも使っています。
西日本新聞 失った「圧倒的存在」…中村哲さん銃撃死 ペシャワール会に試練 より画像を引用しました
中村医師の活動はWikipediaにも記載されています。
国内病院勤務ののち、1984年、日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)から派遣されてパキスタン北西辺境州の州都ペシャワールに赴任。以来、20年以上にわたってハンセン病を中心とする医療活動に従事する。
2010年、水があれば多くの病気と帰還難民問題を解決できるとして、福岡県の山田堰をモデルにして建設していた、クナール川からガンベリー砂漠まで総延長25kmを超える用水路が完成し、約10万人の農民が暮らしていける基盤を作る。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』中村哲(医師)より
このようなライフワークを見つけるのは大変ですが、自分にとって何ものにも変えがたい価値に向かって夢中になって取り組むことができます。
『将来のため』に勉強を頑張りたいのなら自分のライクを深堀しよう
『将来のため』に勉強を頑張りたいのなら、自分の好きなことを見つけて深掘りすることが一番の近道です。
ライスワークはそもそもモチベーションが上がりませんよね。
ライフワークは見つかればそれに越したことはありませんが、学生という狭い世界の中で見つけるのは困難です。
なので自分のライクを深掘りしてみましょう。
ゲームが好きな場合のライクの深堀
ゲームが好きならゲームの何が好きなのか考えてみましょう。
- ストーリーが好き
- 世界観や設定が好き
などあると思います。『何となく好き』で終わらせるのではなくもっと好きな原因を追求してみましょう。
マインクラフトが好きなら、何か作ることが好きなのかもしれません。
スプラトゥーンが好きなら、相手との駆け引きが好きなのかもしれません。
このように『ゲームが好き』から『ゲームの何が好き』というように一歩先に進むと自分が本当に好きなものに近づくことができます。
さらに深堀をしよう
『作るのが好き』かもしれないと思ったら、他に何か作るものを探してみましょう。
プラモ、模型、家、道路など何か自分の琴線に触れるものがあれば、本当に自分の好きなものにもっと近づくことができます。
自分の好きが分かればそれでOK
『将来のために』ということで好きを深堀しましたが、無理に仕事につなげなくて大丈夫です。
自分が本当に好きだと思えるものは、勝手に調べますから。
つまり『自分が本当に好きだと思えるもの』さえ発見できればあとは自動でやる気の出る状態までいけます。
保護者の方に知って欲しいこと
『自分が本当に好きだと思えるもの』を発見するのは子供には難しいです。
いろいろ与えただけで放っておいても好きなものに行き当たることはないと思った方が良いです。
見つけられる子供は天才です。
なぜなら、『表面的な好き』ではなく『自分が本当に好きだと思えるもの』を見つける作業は自分への問いかけができないと見つけるのが困難だからです。
そのためライクの深堀を手伝ってあげる方が良いです。
ゲーム好きは案外良いかもしれません
この記事でゲーム好きを例にあげましたが、ゲームというのはフィクションですがさまざまな世界を見せてくれます。
子供が見える世界というのはとても狭いです。ゲームというのはその狭い世界を広げてくれる可能性があります。
ただし、狭い世界を広げるには、繰り返しになりますが、深堀を手助けしてあげることが必要になります。