勉強を頑張った後は振り返りをしてみましょう。
頑張っても成績が上がらないときは振り返る力が不足しているかもしれません。
勉強の振り返りをしてより良い勉強方法を見つけることができれば成績は上がります。
私は塾を経営していて、振り返りに力を入れています。
そのおかげで開業2年目以降は9割の生徒が第1志望を合格しています。
この記事では振り返りの基本である『メタ認知』について共有させていただきます。
参考図書は三宮真智子著 『メタ認知で<学ぶ力>を高める』です。
■結論
- より良い勉強方法を身につけるには振り返りが必要です。
- 振り返りには自分を客観的に見るメタ認知が必要です。
- 振り返りを繰り返すことでメタ認知能力は上がります。
より良い勉強方法を身につけるには振り返りが必要
勉強に限らず、結果を残せている人は次の2つのレベルが高いです。
- インプット(脳に入れる)
- アウトプット(脳から出す)
この2つのレベルを高くするには振り返りを行う必要があります。
勉強というのは次の2つの行動を言います。
インプット(脳に情報を入れる)・・・教科書を『読む』、授業を『聞く』
アウトプット(脳にある情報を出す)・・・答案を『書く』、面接で『話す』
効率よく脳に情報を入れて(インプット)、正確に脳から情報を出す(アウトプット)することができれば、良い結果を出すことができます。
例(1)インプット
30分教科書を読んでみたけどよくわからなかった。
⇒それは読み方が悪いかもしれません。(インプットのレベルが低い)
例(2)アウトプット
ノートに漢字の書き取りをしたけど覚えられていなかった。
⇒その方法では覚えにくいのかもしれません。(アウトプットのレベルが低い)
初めから完璧な勉強方法を身につけている人はいません。
自分の勉強について次のように考えて
- この方法で良かったのか
- もっと良い方法はなかったのか
ほかの方法も試していくうちに自分に合った勉強方法が見つかります。
考えて試すには勉強した内容や方法について振り返り(フィードバック)をしましょう。
勉強の振り返り(フィードバック)に欠かせないメタ認知を知ろう
振り返り(フィードバック)にはメタ認知をする必要があります。
メタ認知というのは自分自身を高いところから見るイメージです。
例えば、次の2つはメタ認知をしている状態です。
- 今日は友達と遊んで楽しかったな。どうして自分は楽しかったのだろう?
- 今日はケンカをしてしまった。なんで自分はあんなに怒ってしまったのだろう?
このように自分自身の行動や感情について、時間をおいて冷静に振り返ることがメタ認知です。
勉強でも同じように勉強が終わった後に冷静に振り返ると、もっと良い勉強方法について考えることができます。
勉強の振り返りレベルを高める知識と活動
はじめから勉強の振り返りをうまくできる人はいません。
良い振り返りをするにはメタ認知の能力を高める必要があります。
メタ認知能力は大きく分けて次の2つに分かれます。
- メタ認知的知識
- メタ認知的活動
この知識と活動のレベルを上げることで効果的な振り返りができるようになります。
振り返りを繰り返し行うことでメタ認知能力は向上します。
勉強後に冷静に振り返るために必要なのは
- メタ認知的知識
- メタ認知的モニタリング
です。
そして振り返った後に反省を生かしてより良い行動ができるように自分をコントロールする力が必要です。
この力をメタ認知的コントロールと言います。
メタ認知的知識について
メタ認知的知識には次の3つがあります。
- 人間の特性の知識(人の脳はすぐに忘れるようにできているなど)
- 課題の知識(勉強する範囲の特徴を良く知っていればもっと良い方法がわかります。)
- 方法(方略)の知識(どの方法で覚えればよかったかについて考えることができます。)
この3つのメタ認知的知識が豊富なほどより良い振り返りができます。
より良い振り返りによって次のインプットのレベルを上げることができます。
メタ認知的知識について次の記事で詳しく解説しています。
先生また関係ない話してるな メモしなくていいや 問題の解き方がわかればいいよね 学校や塾の先生は教科書の太字や問題の解き方以外でも大事な話をしています。 大事な話というのは『メタ認知的知識』というもの[…]
メタ認知的知識はただ勉強するだけでは鍛えることはできません。
課題の難しさを『予測』し『計画』を立て『計画通りの行動』をします。そして結果を『振り返り』する。これを何度も繰り返す必要があります。
『予測』『振り返り』のことをメタ認知的モニタリング
『計画』『計画通りに行動』をメタ認知的コントロールといいます。
メタ認知的モニタリングとは
いわゆる振り返りとして認識されているのはこのモニタリングです。
自分が勉強した後に、覚えられたか客観的に見ることです。
しかし、人は誰でも自分の心を傷つけたくありません。
そのため、自分の行動と結果を振り返るときに次の2つに気を付けましょう。
- 自分に甘くなる
- 良かったと思い込む
そうならないためには次の2つを区別して考える練習をすることが必要です。
- 過程と結果
- 事実と意見
次の記事でモニタリングについて詳しく解説しています。
今日は問題集を5ページ進めよう 教科書は3ページ読もう こんな感じで進めてもいいのかな? 勉強にを進めるときはページ数ではなく範囲を決めて目標を立てましょう。 目標を立てるときにモニタリングを行うと勉[…]
メタ認知的コントロールとは
振り返りを行って次はどうすれば良いか考えても、実行に移さなければ何も変わりません。
人は今までと違うことをするときに、違和感を感じて行動に移せないことが多々あります。
自分をうまくコントロールして今までと違う行動ができれば、自己成長することができます。
またSNSが炎上してるニュースだ なんで関係ない人にあんなに怒ってるんだろう すぐに怒るような人にはなりたくないなぁ すぐに怒るような人になりたくないですよね。 怒りという感情に流されて行動してしまっ[…]
心理学ではモニタリングとコントロールを合わせてメタ認知的活動と言います。
勉強でどのようにメタ認知的活動を使うか解説しているので読んでみてください。
高校生になったら中学校の時より成績が下がった高校のレベルが高いから仕方ないのかなでも同じくらいの学力の人が集まっているはずなのに何で自分だけ成績が伸びないのだろう こんな疑問にお答えします。 この記事[…]
まとめ
勉強をした後に振り返りをすることが勉強そのもののレベルアップには必要です。
振り返りをするにはメタ認知と言って、自分の行動や感情を冷静に考えることが必要です。
メタ認知にはメタ認知的知識とメタ認知的活動があり、この2つを知り、実行することでより良い振り返りができるようになります。