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勉強のモチベーションとやる気のまとめ

やる気を出して欲しいなぁ
やる気スイッチ?そんなのあるの?

私は塾で教えていて、

やる気のある生徒、やる気のない生徒

だんだんやる気になってくる生徒 ずっとやる気のないままの生徒

さまざまな生徒を教えてきました。

入塾の時に『やる気を出させてほしい』という要望がけっこう多くありました。

私は塾で指導するかたわら、『やる気』について勉強しました。

そして『やる気』を起こすための指導を試行錯誤しながら実践してきました。

 

勉強を始める⇒やる気になる⇒勉強を続ける

指導を重ねるうちに、『勉強を続ける』状態にいたるまで多くの要素があることがわかりました。

この記事ではそのまとめを紹介したいと思います。

 

勉強を始める3つの『モチベーション』

勉強を始める3つのモチベーション

モチベーションとやる気を一緒に考えている人も多いですが、

  • モチベーション・・・勉強を始める動機
  • やる気・・・勉強を続ける気力

というように分けて考えることができます。

つまり、やる気の前にモチベーションが必要ということです。

勉強を始めることでドーパミンという物質が出てきます。

ドーパミンは記憶力を高め、『ワクワク』や『楽しい』という感情を引き起こします。このドーパミンが『やる気のもと』と言われる脳の物質です。

始めることによってやる気が引き起こされることを『作業興奮』といいます。

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作業興奮

 

モチベーションのことを日本語で動機、動機づけと言います。 

勉強を始めるためのモチベーションは大きく分けて3つあります。

  • 達成動機
  • 内発的動機
  • 外発的動機

この3つを知り自分をうまく操って勉強を始められるようにしましょう。

達成動機

達成動機とは少し難しいことのほうがやりがいがあると思って勉強を始めることです。

有名な例え話として登山家への問いかけがあります。

『なぜ山に登るの?』

『そこに山があるからさ』

達成動機の高い人は50%くらいの成功確率の時が一番モチベーションが上がると言われています。

反対に達成動機の低い人は、失敗を恐れて失敗を回避する行動を起こします。

達成動機が高い人はどんどん成長し、失敗回避をする人はなかなか成長できません。

達成動機を高める方法も解説している記事を読んでみて下さい。

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勉強のモチベーションを高める達成動機とは

内発的動機と外発的動機

内発的動機は自分の内側から湧き上がる『モチベーション』のことを言います。

勉強そのものを楽しいと感じていて、楽しいから勉強するという状態です。

外発的動機は強制や義務感などから『やらないといけない』と思って始めることです。

外発的動機は他の人や環境の力を借りて自分を動かす力です。

『塾に行きなさい!』や『月曜だから学校行かなきゃ』のような強制や義務感の状態から、

『良い大学に行けば良い将来が待っている』という期待から勉強を始める

自律性の高い状態まで外発的動機に含まれます。

この自律性は少しずつ高めていくことができ、最終的には内発的動機になると言われています。

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勉強のモチベーション

勉強を続けていく『やる気』を高める

勉強を続けていく『やる気』を高める

勉強を始められるようになっても根気強く続けていくことができない生徒も多くいました。

テスト前に必死になって勉強して、点数が上がったと思ったら、次のテストはあんまり頑張ることをせずに点数が下がってしまう

努力して結果が出ることはやる気につながると思われている方も多い(私もそう思っていました)ですが、『やる気』の一つの要素にしか過ぎないのです。

やる気は次の6つの要素でつくられます。

  1. 情熱
  2. 粘り強さと忍耐
  3. 謙虚
  4. チャレンジ精神
  5. 目標
  6. 自己効力感

情熱

勉強に情熱?

と思われるかもしれません。もう少しわかりやすく言うと勉強することにどんな価値を見つけているかということです。

例えば、私の塾ではサッカーのクラブチームに通っている生徒に多く通っていただいていますが、勉強の好き嫌いにかかわらず、英語と地理(ヨーロッパ)は熱心に勉強します。

  • 将来プロ選手になったら外国に行って活躍したい!
  • 小学生の時にヨーロッパのクラブチームの練習を見学した

など自分の興味のあることと結びついていたのです。

『勉強することが、自分にとってどういう効果があるか』

ということを考える環境があったのです。

そして考えたすえに、勉強に『価値』を見出して情熱を持って勉強できたのです。

このような『価値』の見つけ方について記事を書いているので読んでみてください。

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その他に勉強のフィードバックで気をつけたいこと

粘り強さと忍耐

暗記の苦手な生徒も多いです。暗記ってコツコツやらないといけないから嫌になってしまいますよね。

  • コツコツやらないといけないことを知っていて
  • やらないといけないと本人も思っている

それでも暗記をやらない生徒がいます。

勉強というのは自分の知らないことを覚えていく作業です。

一回で覚えられるわけではなく、何度も繰り返してやっと一つのことができるようになります。

つまりできるようになるのは最後の1回で、その前はたくさんの失敗があるということです。

失敗の受け取りかたで『もうイヤだ!』となるか『まだまだ!頑張ろう!』となるか変わってきます。

悲観主義の場合、1度失敗しただけで何回やっても無駄という考えになってしまいます。

勉強で粘り強く頑張るには楽観主義になることが重要です。

楽観主義の人は失敗したときに『どうして失敗したんだろう?』と前向きな考えができます。

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中学生が粘り強く勉強している

もう一つは忍耐です。

  • 目標を達成するにはバラバラのパーツを一つにする必要があること
  • バラバラのパーツを一つにするには時間がかかること

この2つのことを知っておく必要があります。

人は本能的に目先の満足感に目が向いてしまうので、時間がかかることを嫌います。

忍耐とは意志力で我慢することではありません。

目標を達成するには時間がかかるということを知っている状態なのです。

謙虚

授業を聞いていて眠くなったりしたことはありませんか?(私はもちろんありますよ!)

今思うと、教えてくれるのに眠ってしまうなんて失礼なことをしたなと思いますが、『謙虚』な人は眠くなりません。

勉強のやる気と謙虚は結びつかないかもしれません。

謙虚というと『相手を尊重する』というイメージがありますが、そうではありません。

謙虚は次の3つで構成されています。

  • 自分への関心
  • 知識や技能への好奇心
  • 相手への関心

この3つは次のように関連しあいながら学ぶ意欲に変わっていきます。

  1. 自分自身を客観的に観察して自分に何が足りないか考え
  2. 足りない知識や技能についての関心が高まる(好奇心)
  3. それを知っている人、できる人への関心が高まり教えてもらう

本当の謙虚さを持っている人は、謙虚であることで自分の足りないものを補うという目的を達成することができているのです。

自分自身に足りないものを謙虚に受け止めることができれば授業中に眠くなることはありません。

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『謙虚さ』が学びを加速させます

チャレンジ精神

テストで100点を取ると嬉しいと思います。

しかし、1桁のたし算をいまさらテストに出されて100点をとっても嬉しくないと思います。

自分にとって少し困難だなと思える目標に対して、100点という結果が出てうれしくなるはずです。

1桁のたし算のようにすでに知っていること、できることのゾーンをコンフォートゾーン

少し困難だなと思えるゾーンをラーニングゾーンと言います。

コンフォートゾーンは居心地は良いですが成長はありません。

居心地が良いのでずっと居てしまいそうですが、積極的にそこに居ようとしているわけではありません。先延ばしや失敗への恐れで居続けてしまいます。

ラーニングゾーンは成功と自己成長を期待してワクワクするゾーンです。

このワクワクはドーパミンと言ってやる気を引き起こす脳の物質が作用しています。

このラーニングゾーンに入ることでやる気は引き起こされます。

もしラーニングゾーンに入っていないと感じているなら、

『なぜ自分はチャレンジしないのだろう?』と問いかけてみてください。

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目標

目標は大目標、中目標、小目標があります。

  • 『○○大学に行きたいから1年生のうちから勉強を頑張る』・・・大目標
  • 『次のテストは80点をとる』・・・中目標
  • 『今日は○○を覚えることが目標だ!』・・・小目標

こういった大目標、中目標、小目標を立てておくと『やる気』につながります。

目標には4つの役割があります。

  • 選択
  • 努力
  • 永続性
  • 認知

選択

情熱やエネルギーの方向が決まり、自分の目標に関連しないことへの関心が下がります。

努力

目標そのものがエネルギー源になると言われています。目標がない状態よりも目標がある状態の方が多くのものを生産したというデータがあります。

永続性

目標は粘り強さを生み努力を長引かせることができます。仮に小目標を失敗したとしても大目標から見れば小さな失敗に思えるので、努力を継続することができます。

認知

目標があるからこそ、自分に何が足りないのか知ることができます。

必要な知識や技能を身につける動機となりそれを身につけるまで、やる気は継続できます。

自己効力感

『自分ならできる!』という確信に近い感覚があると物事にすんなり取り組むことができて、粘り強く取り組み、目標を達成できます。

『自分ならできる!』という確信に近い感覚のことを自己効力感と言います。

自己効力感は次の5つで高めることができます。

  • やり遂げたり達成した経験がある(達成経験)
  • 他の人がうまくいっているのを見る(代理経験)
  • 励まされる(言語的説得)
  • 気分がいい(高揚)
  • 自分がうまくいっている姿を想像する(想像的体験)

自己効力感の高め方について詳しくは関連記事で解説しています。

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終わりに

勉強のモチベーションとやる気をまとめました。

モチベーションは3つ ①達成動機 ②内発的動機 ③外発的動機

やる気は6つ ①情熱 ②粘り強さと忍耐 ③謙虚 ④チャレンジ精神 ⑤目標 ⑥自己効力感

これらすべて備えている人はほんの一握りです。自分には何が足りていないかを考えて足りないところを一つずつ補強していくことが大切です。

優先順位は

  • モチベーション・・・外発的動機の自律性を高めること
  • やる気・・・情熱と粘り強さを高めること

この2つから始めて行きましょう。

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