友達がミスをして注意されていたけどめげずに頑張ってる
自分だったらイヤになってやめちゃうと思うんだけど
どうして頑張れるんだろう?
自分もミスがあっても粘り強く頑張る人になりたい。
ミスしたときってへこみますよね。
でも次に向かって頑張れる人もいます。この記事にはそういった人の特徴について解説します。
この記事を読んでわかること
- 失敗したときにどう考えるとよいかわかる。
- この考え方ができれば失敗したときても前向きに取り組める人になれます。
ブログを書いている人はこんな人
私は塾を経営していて、心理学的に成果の出ている方法で指導をするようになってから、生徒の合格実績が向上しました。
開業2年目以降は9割の生徒が第1志望を合格しています。
この記事ではその中の一つ粘り強さについて共有させていただきます。
参考図書はアンジェラ・ダックワース著 神崎朗子訳『GRIT やり抜く力』です。
■結論
自分の失敗や注意されたことを楽観的に受け止めることが粘り強く取り組むために必要なマインドです。
この記事では粘り強さにつながる楽観的な受け取り方について解説します。
中学生の数学の授業を使った研究
心理学者のキャロルドウェックは中学生を対象に成功と学習について研究しました。
生徒たちを
- 成功のみ(ほめられるだけ)のプログラム
- 解釈改善プログラム
の2つのグループに分けました。
『ほめられるグループ』は授業のたびに問題をときました。
その問題は簡単なものから、全員の実力よりも少し難しい問題までありました。
授業の終わりには何問解けたかに関係なく、頑張ったごほうびをもらいました。
『解釈改善プログラム』の生徒たちも同様に授業のたびに問題をときました。
問題の内容も同じです。
教師は
- 『今回は解けた問題数が少なかったね』
- 『もうちょっと頑張るべきだったね』
のような指摘を行いました。
この研究の最後の日に全員で数学のテスト問題に挑戦しました。
授業と同様に難しい問題もかんたんな問題も混ざっている問題でした。
このテストの結果は
『ほめられるグループ』
難しい問題にぶつかったとたんに降参してしまいました。
『解釈改善プログラム』
難しい問題にぶつかっても粘り強く挑戦しました。
『解釈改善プログラム』の生徒たちは、問題が解けないのは自分の能力が足りないからではなく、『もっと頑張る必要があるということだ』と解釈するようになっていたからです。
粘り強く頑張る事ができたのは『解釈改善プログラム』の生徒たちということです。
ミスしたときに『何回やっても同じ』と思ってしまう理由
難しい問題が解けない=『失敗や苦痛、いやなこと』
に対してどう考えて対処するかを調べることがこの研究の目的でした。
ほめて伸ばすという言葉もありますが、この場合においては逆効果でした。
研究中の授業でも難しい問題を解いていましたが
『ほめられるグループ』はその失敗に対して解決策を提示しませんでした。
(授業でその問題の解き方は教えますが、自分の実力以上の難しい問題にあたったときにどう考えるか解決策を教えていませんでした。)
『解釈改善プログラム』のグループは『もうちょっと頑張るべきだったね』という先生の言葉から、頑張ることでうまくいくかもしれないと考えるようになったのです。
何回やっても同じと諦めてしまう心理学的な理由
人は『失敗や苦痛、嫌なこと』に対して、逃げ道や他の方法でうまく避けられそうなときはその方法を試します。
反対に、
- 逃げ道がない
- 他の方法を知らない
- 『失敗や苦痛、嫌なこと』が繰り返される
このようなとき、我慢してやり過ごそうとする性質があります。
これを心理学用語で『学習性無力感』といいます。
『褒められるグループ』は自分の実力以上の難しい問題に対して、何回やっても同じと考え、やり過ごす(すぐに諦める)行動を選んだのです。
『あきらめぐせ』の原因
- 失敗しても粘り強く続けられる人は『楽観主義』です。
- 学習性無力感に陥ってしまう人は『悲観主義』です。
この違いは失敗の受け取り方にあります。
『悲観主義』の人はその失敗が
- 繰り返される
- ずっと続く
と考えてしまいます。
さきほどの研究なら難しい問題が毎日繰り返されずっと続いたわけです。
『悲観主義』の人は失敗の原因をよく考えず
- 自分は学力が低いから
- 自分は何をやってもダメだから
自分の能力や性格のせいにしてしまうのも特徴です。
『ほめられるグループ』は
- 毎日失敗を繰り返した
- その失敗を回避する方法がわからず自分の能力のせいにした
この2つによって難しい問題に対して悲観的になったのです。
失敗したときの原因の考え方は、そのときに自分がコントロールできたかどうかを考えましょう。詳しくは関連記事を読んでみてください。
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粘り強い人の特徴『楽観主義』
- 途中で集中力が落ちて時間が足りなかった
- 時間配分を間違えたから
失敗の原因を予想します。
原因があるということはそれをクリアすればよいだけなので、失敗はずっと続くのではなく、その時だけと考ることができます。
中学生、高校生は先生のアドバイスも利用しよう
『楽観主義』になるには失敗したときの原因を見つけることが必要です。
しかし自分だけでは見つけられないときも当然ありますよね。
そこで先生の注意やアドバイスを利用しましょう!
- 失敗したな
- 今回のテストは点数が低かったな
というときは、自分でもどうしてそうなってしまったか考えるのは当然ですが、
先生のアドバイスを原因探しのヒントとして受け取りましょう。
ただし、はじめは自分で原因を考えないと、先生の言葉は何について話しているかピンときません。
先生が注意やアドバイスをしているときに「うるさいなぁ」と感じたことありませんか?
それはもしかしたら、自分が気づいていない失敗の原因をアドバイスしてくれていたかもしれません。
先生からフィードバックがショックな時もあります。その時はどう受け止めればよいか記事にしているので読んでみてください。
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失敗しても楽観的になるための考え方まとめ
- なぜ失敗したのだろう?
- とりあえず失敗した原因を考えよう
- 今回はうまく行かなかったけどどうしてかな?
- 準備に問題があったのかな?
- やり方に問題があったのかな?
- この失敗は今回だけ。次は原因に気をつければ大丈夫
このように考えられるようにしましょう。
自分の中であきらめてしまっていることはありませんか?
そうしたら楽観的に考える練習をしてみましょう!
『楽観主義』になれば、あなたは粘り強く取り組みができるようになります。
情熱を持って取り組むことと合わせればやり抜く力を手に入れられます。
やり抜く力を身につければあなたの人生は大きく前進します。
情熱とやり抜く力についての記事も読んで自分を成長させていきましょう。
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用語解説
学習性無力感は『何をやっても無駄だ』と思ってしまうと、そこから逃れようと努力することをあきらめてしまうことを言います。勉強以外、人でも動物でもこの現象は見られます。
学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん、英: Learned helplessness)とは、長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。他の訳語に学習性絶望感、獲得された無力感、学習性無気力がある。
なぜ罰されるのか分からない(つまり非随伴的な)刺激が与えられる環境によって、「何をやっても無駄だ」という認知を形成した場合に、学習に基づく無力感が生じ、それはうつ病に類似した症状を呈する。1967年にマーティン・セリグマンらのオペラント条件づけによる動物実験での観察に基づいて提唱され、1980年代にはうつ病の無力感モデルを形成した。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』学習性無力感