私は塾を経営しています。
経験上、たくさんの生徒をみてきましたが、優先順位を知らない生徒が多いです。
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学校で教えてくれないので当たり前なのですが、優先順位の決め方を知っている生徒とそうでない生徒で大きな差が生まれているのが現状です。多くの生徒に身につけてほしいと思い指導してきました。
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- 優先順位をつける前に優先度(自分の大事なこと)を決める
- 優先度は時間をかけて考え抜く
- 優先順位を決める前にやることを書き出す
- 優先順位をつけてtodoを作る
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優先順位をつけられるとメリットがあり、これが積み重なって大きな差になります。
- やらないことを決める
- todo達成でモチベーションが上がる
- 振り返り習慣が身につく
今まで教えてきた優先順位について記事にしてみました。とても大切なことなので早いうちから身につけてほしいです。
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優先度と優先順位の意味の違いを知ろう
優先度、優先順位なんとなく似た言葉ですが決定的な違いがあります。
その違いとはズバリ、『あいまい』と『明確』の違いです。
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優先度1位よりも『優先度が高い』『優先度が低い』のほうがしっくりくると思います。
優先度というのは高い、低いなどの『あいまい』さがある表現で使います。
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『優先度1位』と『優先順位1位』なら『優先順位1位』のほうがしっくりきませんか?
優先順位というのは『具体的な数字』で『明確』に表すものということです。
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つまり
- 優先度=あいまい
- 優先順位=明確
このような違いがあるのです。
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優先度と優先順位は長期と短期で使い分けよう
優先度は『あいまい』優先順位は『明確』という違いがあります。
『あいまいは長期目標』『明確は短期目標』で使い分ければよいです。
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優先度は『高い』『低い』のようにあいまいであるため、柔軟性が高いのが特徴です。
優先順位は1位、2位のように具体的です。このような具体的な順番は『今日やるべきこと』のような短期的な目標に向きます。
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どんな目標でも達成するには、長期間のモチベーションと、日々の具体的な行動の積み重ねが必要です。
目標達成に必要な2つの思考という記事で
- 『なぜ?』の思考は長期的な目標に向く
- 『なに?』の思考は短期的な目標に向く
という解説をしました。
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『なぜ?』という思考は『なぜ勉強するのだろう?』のように自分の行動に意味を見出すために必要です。そうすることで長期的にモチベーションを維持することができます。
『なに?』という思考は『何を勉強するか?どうやって勉強するか?』のように具体的な方法や手順を考えて、すぐに取り掛かるために必要です。
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つまり優先度と優先順位の違いは次のようになります。
優先度は長期的なもので『なぜ?』の思考と『目標』が必要になります。
優先順位は短期的なもので『なに?』の思考と『具体性』が必要になります。
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優先度は『自分が大事と思えること』を基準にしよう
優先度は長期で考えたほうが良いので、自分の人生、今後1年、今後3か月のように長期の目標で優先したいものを考えましょう。
優先度は時間をかけて考えるべきです。
優先順位をつけられない人のほとんどはこの優先度を考えていません。
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なぜなら、自分にとって何を優先すべきかを決めることができれば、
- やるべきこと
- やらないこと
この2つが明確になるからです。
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やり抜くために必要な『価値』の見つけ方という記事で、サッカーの本田圭佑選手を例に挙げました。本田選手のように長期の目標を決めている人は『自分の大事にしたいこと』を考え抜いています。
本田選手の場合は、小学生を卒業する段階で、サッカー選手について国内、海外問わず調べあげ、自分の目指す像を明確にしていました。
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今のような情報がたくさんある時代なら、時間をかけて調べれば誰でもできると思いませんか?
本田選手や、イチロー選手の例なので特別に感じるかもしれませんが、ほとんどの人は『価値』を見つける時間をきちんと作って考えていないだけです。もしくは先延ばしにしているだけです。
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学校ではこのような教育をしていないので自分で考えるしかないです。
ちなみにソフトバンクの孫正義さんもTwitterでこのように言っています。
私が小学校の教師だったら、子供達に毎週一回は夢を具体的に語らせる。最も子供達を成長させる教育の一つであろう。
— 孫正義 (@masason) March 16, 2010
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優先順位を決める前にやることをすべて書き出そう
優先順位は具体的に『今週やるべきこと』『今日のtodo』のような短期の場面で活用します。
思いついたものから優先順位をつけるよりも、まず頭に思い浮かんだやりたいこと、やるべきことを書き出すようにしましょう。
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なぜならやりたいこと、やるべきことにはそれぞれ、重要度と緊急性がありそれを区分けしてから優先順位をつけたほうが良いからです。
この区分けをしないと、緊急性の高い物ばかりに目を奪われ、重要なものに取り組むことができなくなってしまいます。
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重要度、緊急性で4つのマトリクスに分けよう
次のようなマトリクス図で分けてみましょう。
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重要度というのは、優先度と同じです。自分にとって優先すべきことが重要度です。
緊急性は『今日まで』とか『○○時まで』のように締め切りが目の前に迫ってきているものです。
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締め切りが迫っているものばかりに目が行くようになりますが、その中で重要なものとそうでないものを分ける必要があります。
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基本的には重要度の高いものだけをやるようにしましょう。
- 重要度が高く緊急のタスク とっとと片付ける
- 重要度が高く緊急ではないタスク 一番大事なタスクなので時間を使う
- 重要ではないが緊急のタスク 誰かにやってもらう
- 重要ではなく緊急でもないタスク やらない
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重要度が高く緊急性が低いことに時間を使おう
重要度が高いものは自分にとって大事なことで、やらなければならないものですよね。
でも、緊急性=締め切りが迫っているということは、やらなければいけないのに先延ばしにしてしまった結果とも言えます。
そうならないためにも、『重要度が高く、緊急性が低い』うちにコツコツ取り組んでいきましょう。
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やらないことを決めるのも大事
重要度が低く、緊急性も低いものはやらないと解説しました。
優先度や優先順位を決めてものごとを進める一番のメリットは『やならいことを決める』かもしれません。
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人の使える時間は有限です。
その有限な時間の中でも、脳のパフォーマンスが高い時間というのはさらに限られてきます。
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限られた時間を『やらなくても良いこと』に使ってしまうということは、『やるべきこと』ができなくなってしまうということです。
やらないことを決めるためにも、思い浮かんだやることを全て書き出すようにしましょう。
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優先順位を決めてtodoに落とし込もう
重要度の高いものをリストアップできたら優先順位を決めましょう。
もしたくさん重要度の高いものがあったら、その中で優先度を決めて順位付けをしましょう。
パレートの法則と言って、重要だと思えることがたくさんあっても、その中の2割だけが本当に重要なことです。
そう考えると楽になります。優先度はその2割を決めるために必要です。
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パレートの法則は知っておくと優先度や優先順位がつけやすくなります。
パレートの法則については関連記事:『勉強時間が長いのに成績が上がらない人に知ってほしい2つの法則』で解説しています。
やるべきことを優先順位づけできたら、todoリストにして書き出す(またはアプリを使う)ようにしましょう。
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todoのメリット
todoリストは書き出すことでメリットがあります。
- やることが明確になり集中できる
- コミットメントの効果がある
- 達成感が次のモチベーションになる
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①目の前の一つのことに集中して、それ以外のことを意識のそとにおくことができるようになります。これをシングルタスクと言い、もっとも生産性が高くになります。(関連記事:『マルチタスクで同時進行すると危険です 』にてシングルタスクの生産性の高さについて説明しています。)
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②ここでのコミットメントとは、自分との約束です。やるべきことを決めて書き出すことで、自分に対して約束をすることになります。約束の力は自分自身の行動を制限します。
人は目先の誘惑に弱い生き物ですが、約束の力を使ってその誘惑に耐えることができます。
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③脳内物質にドーパミンという物質があります。ドーパミンは、モチベーションを高める物質です。達成できそうという予感によって分泌されモチベーションが上がります。
todoを達成することで次のtodoを作るときに、達成の予感からドーパミンが分泌されモチベーションが高まります。
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時間設定をしよう
時間設定とは『○時に△を終わらせて、□時に×に取り掛かろう』のような段取りです。
時間設定のメリットは締め切り効果を使えることです。パーキンソンの法則と言って、人は時間があればその時間を埋めようと余計なことをしてしまいます。締め切りを作ることで余計な時間を作らないことが大切です。
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とはいえはじめからあまりに細かく決めてしまうのもよくありません。
todoのメリットで解説しましたが、todoを達成した経験は次のtodoのモチベーションとなります。
最初につまづいてしまうと、モチベーションが上がらずtodoを考えることをやめてしまいます。
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達成しやすい時間設定から始めましょう。
『午前中は○をした後に△をやろう!午後は△をしてから□をやろう!』
午前午後で大まかに区切り、やることも少なめにしておきましょう。
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慣れてくれば、自分の作業時間がどのくらいか、なんとなく把握できてきます。
細かい時間を決めるのはそれからにしましょう。
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完璧を求めないようにしよう
完璧というのは減点主義のことです。
- ❌5個やることを決めたけど4個しかできなかった
- ⭕️今日は4つ大事なことができた
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『〇〇しか』『〇〇だけ』は完璧主義の言葉です。この言葉を使ってしまうとモチベーションを上げづらくなります。
『できたこと』に目を向けて加点主義で考えると、モチベーションにつながります。
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振り返りは必ずしよう
todoと振り返りは必ずセットで行うようにしましょう。
- 時間設定をしよう
- 完璧を求めないようにしよう
この2つで解説したことは、振り返りをすることでモチベーションにつながったり、自分の作業時間の感覚をつかめるようになったりします。
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1日の終わりに今日の良かったことを中心に振り返って、明日のtodoを作るようにしましょう。
振り返りについてはまとめ記事を書いているので参考にしてください。
勉強はインプット⇒アウトプット⇒フィードバック⇒インプット・・・のようにサイクルを回すことで、より良い勉強法にたどり着く可能性が高くなります。 インプット(読む、聞く、見る)アウトプット(書く、話す、行動する)フィードバック(振り返[…]
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