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帰納法を使った思考の例

  • 2021年2月16日
  • 2021年2月16日
  • 社会科
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高校社会の倫理に登場する人物から論理的思考を学ぶことができます。

古代から哲学者と言われる人たちは、論理的思考によって本質について考えを深め、新しい発見をしてきました。

論理的思考のなかで代表的な思考法の一つに帰納法というものがあります。

帰納法は、イギリス経験論を主な舞台として発展していきます。ベーコンから始まり、ロックミルらによって体系化されました。

帰納法は現在でも普通に使われる思考法です。

この記事では帰納法の特徴と注意点、思考の例について解説します。

帰納法の特徴

帰納法は複数の事実や体験から、共通点を見つけて法則を発見する思考法です。

古くは最初のギリシャ哲学者と言われたタレスや、万有引力の法則で有名なニュートンは帰納法によって原理や法則にアプローチしました。

 

タレス:万物の根源は水
帰納法
ニュートン:りんごが落ちる

このように実際に体験したことや調べたことの共通点から「万物の根源は水なのでは?」「地球には引っ張る力があるのでは?」と推測する方法を帰納法といいます。

  

帰納法の注意点

注意点

帰納法で注意する点は3つあります。

  • 事実や体験のチョイス
  • 思い込み
  • 検証が必要

事実や体験のチョイス

もとになる事実や体験のチョイスが間違っていると結論を間違えてしまいます。

例えば次の3つをもとに帰納法的に考えてみましょう。

  • 月曜日に洗車をしたら火曜日に雨が降った
  • 水曜日に洗車をしたら木曜日に雨が降った
  • 金曜日に洗車をしたら土曜日に雨が降った

「洗車した翌日に雨が降る」という法則が成立してしまうのがわかると思います。

「洗車した翌日に雨が降る」はよく言われるジンクスですが、天気は、気温や気圧など天気に関する要素から予報しますよね。

データ、調査結果、体験など、事実をもとに考えても結論を間違えてしまうことがあるのが帰納法です。

 

思い込み

自分が経験したことでも思い込みによって事実と違う受け取り方をしてしまう場合があります。

そのような経験をもとに考えたら間違った結論になってしまいます。

イギリスの哲学者フランシス・ベーコンは思い込みの原因を4つのイドラとしてまとめました。

4つイドラをかんたんに説明すると次の4つです。

  • 錯視など人間ならだれでも起こるもの
  • 個人ごとの受けてきた教育や環境による錯誤
  • 言葉などの情報の受け取りかたによる錯誤
  • 権威や伝統を無批判に信じることによる錯誤

自分が体験したことが絶対的な事実ではなく、客観的に見て4つのイドラにあてはまっていないか自分に問いかけることが大事です。

※イドラについて詳しくは関連記事を読んでみてください

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検証が必要

帰納法はあくまでも「かもしれない」というところまでしか考えることはできません。

そのため帰納法で考えた結論をもとに検証を繰り返して「かもしれない」を「高い確率でそうなるだろう」にしていくことが必要です。

帰納法的な思考は単に共通点を見つけるのではなく、検証を繰り返して結論を得るまでの過程のことを言います。

 

帰納法的な思考の例

帰納法的な思考の例

思考の手順は次の3つです。

  1. 共通点を見つけて結論を出す
  2. 結論を検証する(結論を完全に否定しない)
  3. 検証を繰り返しより確実性の高い結論を出す

共通点を見つけて結論を出す 

さきほども例に上げた次の3つから「洗車した翌日に雨が降る」という結論が得られます。

  • 月曜日に洗車をしたら火曜日に雨が降った
  • 水曜日に洗車をしたら木曜日に雨が降った
  • 金曜日に洗車をしたら土曜日に雨が降った

 

結論を検証する 

「洗車した翌日に雨が降る」を検証するために平地、海沿い、砂漠で洗車をしてみましょう。

平地、海沿いでは翌日雨が降りましたが、砂漠では雨が振りませんでした。

結論を完全に否定しない 

検証の結果を受けて「洗車した翌日に雨が降る」を全て否定するだけでは検証とは言えません。雨が降った平地と海沿いの共通点を探しましょう。

仮に平地と海沿いは洗車をした時の天気が曇っていて、砂漠は晴れていたら、帰納法により、「曇りの日に洗車したら翌日に雨が降る」という結論を得ることができます。

検証を繰り返しより確実性の高い結論を出す 

「曇りの日に洗車したら翌日に雨が降る」も検証してみましょう。曇りの日に洗車をしないと雨がふらないのかを検証します。

平地でも海沿いでも砂漠でも、洗車をしなくても雨が降れば、「曇りの日の翌日に雨が降る」という結論を得ることができます。

 

「曇りの日の翌日に雨が降る」も検証してみましょう。すると気圧が低ければ雨が降るという共通点が得られました。

そうすると「気圧の低い曇りの日の翌日に雨が降る」と言うような結論を得ることができます。

 

はじめの「洗車した翌日に雨が降る」から繰り返し検証することで「気圧の低い曇りの日の翌日に雨が降る」へと結論が変わっていきました

気圧の低い曇りの日の翌日に雨が降る」も100%ではないですが、少なくとも「洗車した翌日に雨が降る」よりも高い確率で雨が降りそうな感じがしませんか?

  

蓋然性のある結論 

このように、繰り返し検証することでより高い確率で起こる結論を得ることができるようになります。

このような100%確実ではないけれど、より確実性の高いことを蓋然性といいます。

帰納法は100%確実な真実を見つける思考法ではなく、蓋然性の有る結論を見出す思考法なのです。

 

まとめ

帰納法は事実や体験などの共通点から法則を発見する思考法です。

帰納法を使って考えるときは注意する点が3つあります。

  • 事実や体験のチョイスを間違えない
  • 思い込みをしていないか自分に問いかける
  • 繰り返しの検証が必要

3つの注意点を守り、繰り返し検証することで蓋然性のある結論が得られます。帰納法は100%確実な真実を見つける思考法ではないです。

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