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集中力を高める環境づくり

  • 2020年10月19日
  • 2021年8月7日
  • 集中力
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私は塾を経営しています。その経験上、自分の部屋で勉強できないという生徒がほとんどです。

塾の自習室で勉強したい、塾の日以外は勉強しない(できない)など自分の部屋で勉強できない生徒が多くいました。

子供だから集中できないかというとそうでもなく、大人になっても自分の部屋や自宅で集中することは難しいようです。有料自習室やコワーキングスペースなど集中できる環境にお金を払う人も多くいます。

(ちなみに私も中小企業診断士試験を勉強しているときは有料の自習室を借りていました。)

コロナウイルスの影響でオンライン化が急加速しました。

大学のオンライン授業や在宅勤務の流れが加速しました。

これからの時代、自分の部屋や自宅で集中できる方法を知っているか知らないかで大きな差ができてしまいそうです。

集中力を高めるにはさまざまなアプローチがありますが、環境はとても大きな要因です。この記事では集中力を高める環境づくりを解説します。

集中力を高める部屋

集中力を高める部屋

自分の部屋で勉強できると、わざわざ塾の自習室に行って勉強しなくても良くなりますよね。

大人になっても勉強しないといけない世の中になってきています。自宅で勉強できるようにしておかないと有料の自習室を借りないと勉強できない体質になってしまいます。

今のうちからどういう部屋なら集中できるかを知ることは、将来の財産にもなりそうですよね。

机の上は何もないのが最も良い

『机の上をかたづけなさい!』

きれいにするために言っている場合もありますが、机の上に関しては集中するために片づけをしましょう。

なぜ物があると集中できないか知っていますか?

意志力を消耗してしまうからです。その意志力について説明します。

意志力

意志力というのは、自分をコントロールして『誘惑を断ち切る』『計画通りに物事を進める』『集中する』ことに使う力です。

意志力というのは何かを決断、決定するごとに消費すると言われています。

例えば机の上に英単語ノートがおいてあると、それを見たときに、英単語をやるか、今の勉強を続けるか小さな決断を迫られます。ほんのささいなことですが、それだけで意志力が消費されてしまうのです。

意志力が無くなってしまうと『決断疲れ』という状態になり、どうにでもなれとなってしまいます。

視界に何もない状態なら、決断の回数を減らすことができ意志力の消耗を防ぐことができるのです。

椅子にずっと座らない

長い時間イスに座っていると疲れてきます。疲れは集中力を落とします。

椅子に座っている状態というのは筋肉を固定させ内臓にも負担をかけている状態なのです。

飛行機に長時間乗っていると『エコノミークラス症候群』になるという話を聞いたことありませんか?

座るというのは意外と体に負担をかけているのです。

ですのでこまめに立ち上がり『座る』という運動を休むようにしましょう。

ポモドーロテクニックは『25分集中』と『5分休憩』を繰り返して集中力を高める方法です。ですので25分おきに立ち上がることをお勧めします。

部屋の中も断捨離しよう

『机の上は何もないのが最も良い』のところで解説しいましたが、細かい決断を少しでも無くすために、部屋の中もいらないものは捨ててしまいましょう。

こんまりさんの『ときめくかどうか』というのはとても良い判断基準です。

『ときめく』というのは具体的には自分にとって『価値』があるかです。自分にとっての『価値』が決まっていないと『もったいないから』『いつか使うかもしれないから』という理由でいつまでたっても捨てることができません。

つまり断捨離をする前に自分の『価値』というものを考える必要があるのです。

価値の見つけ方については記事にしてあるので読んでみてください。

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その他に勉強のフィードバックで気をつけたいこと

薄暗くする

勉強するときはデスクライトをつけて部屋を薄暗くするというのも意志力の損耗を避ける一つの方法です。

人が処理している情報のうち80%以上は目から取得しています。薄暗くすることで目から入る情報を少なくすることができます。

棚には目隠しカーテン

『断捨離しよう!』と言ってもなかなか捨てられないものがありますよね。

棚にある本は視界に入るだけで意志力を使います。本棚を目隠しカーテンで覆うことで意志力の損耗、集中力の低下を防ぎましょう。

 

集中力を高める色

集中力を高める色

色というのは人の潜在意識に影響を与えると言われています。

色に関する学問や論文もたくさんありますが、集中するために知っておいて損が無いのはの与える影響です。

  • 青は落ち着きます。
  • 赤は興奮します。
  • 緑はリラックスできます。

落ち着いたり、興奮したりする原因は自律神経とノルアドレナリン(アドレナリン)、セロトニンが関係しています。

  • 周りの音が気になる やる気が出ない・・・落ち着きすぎ
  • 頭が真っ白 手が震える・・・緊張しすぎ

落ち着きすぎているようなら赤を見ましょう。

反対にやる気マンマンでも空回りしてしまっているときは青や緑を見て落ち着きましょう。

普段勉強するときはを見て落ち着くようにすると集中力が高まると言われています。勉強する場合は少し落ち着いたほうが良いということです。

   

集中を妨げない室温(特に冬)

集中力を高める室温

寒すぎても暑すぎてもそれが原因で集中が途切れてしまいます。適度な温度で勉強しましょう。

特に冬の受験直前期に頑張っている受験生は『冬でも18℃以上』を心がけてください。(21℃以上が望ましいそうです)

この18℃以上というのはWHOが2018年に住宅の温度について勧告した基準です。

「18度未満の寒い家」は脳を壊し、寿命を縮める PRESIDENT Online

WHO Housing and health guidelines (WHOの住宅と健康に関するガイドライン)

換気して空気を入れ替える

とは言え換気を1時間に1回くらい行うようにしましょう。

なぜなら、ずっと閉めっぱなしにしてしまうと二酸化炭素濃度が上がり、思考力の低下、眠気、肩こり、頭痛、集中力に影響が出るためです。

environmental health perspectives (換気と二酸化炭素と認知の関連

眠気を感じたり、疲れを感じたら窓を開けて空気を入れ替えてみてください。

集中するためにもスマホのルールづくりは必要です

集中するためにもスマホのルールづくりは必要です

スマホは最も集中力を低下させるものです。スマホ自体が最近出てきたものなので、きちんとしたルールや対策が世間で共有されていないのが現状です。

ですから家族や自分で考えてスマホとの付き合い方を見つけていく必要があります。

スマホが集中力に及ぼす悪影響は次の通りです。

  • 視界に入ると集中力が落ちる
  • 通知音で集中力が落ちる

『机の上は何もないのが最も良い』のところでも解説しましたが、視界に入ると意志力を消耗します。

英単語ノートの例をあげましたが、その場合は『英単語の勉強もあったな』と『今の勉強を続けよう』を比べて、『今の勉強を続ける』という決断をすることによって意思力を消耗しました。

しかしスマホはそれ一つにたくさんの機能がありますよね。

LINE、TwitterなどのSNS、YouTubeのように楽しい動画など、スマホを見ただけでいろいろな楽しいものが思い浮かんでしまい、それら一つ一つと勉強を比べてしまいます。

完全に視界から外して手の届かないところに置いておかないと常に誘惑との戦いになってしまいます。

通知音についても同じです。この場合、目と耳という2つの感覚器官から情報を得るのでさらに意志力を使ってしまいます。

部屋に持ち込まないルール作り

部屋で勉強するなら、スマホは部屋に持ち込まないことをルールとして決めておいた方が良いです。

充電器はリビングにおいて、『充電にセットしたら勉強を始める』ようにすれば、勉強を始めるifthenスイッチとして勉強の習慣化にも使うことができます。

ifthenは習慣化のテクニックの一つです。

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集中力を高める音

集中力を高める音

音は集中に関わる大事な要素です。

音に関してはいろいろ研究があり、無音の方が集中できる人、少しくらいの雑音があった方が集中できる人の2タイプがあります。

そのためまずは自分がどちらのタイプなのかを考えたり試したりしてみましょう。

集中できる音楽、集中できない音楽

好きな音楽を聴くと集中できるというデータがあります。

これは好きな音楽を聴くとワクワクしてドーパミンが分泌されるためです。ドーパミンは集中力や記憶力を高める脳内物質です。

そのため、勉強を始める前に好きな音楽をきいて勉強を始めるのが良いです。

集中できない音楽があります。それは歌詞つきの音楽です。意味のわかる歌詞を聞いてしまうと、脳の一部が無意識のうちに意味を考えたり、他の言葉とくっつけたりして想像を膨らませようとしてしまいます。

そうならないためにも、勉強を始めたら歌詞がついていない音楽に切り替えましょう。

無音タイプの人も、音楽を聴くタイプの人も集中力を高めるにはノイズキャンセリング機能付きのイヤホンがお勧めです。

無音タイプなら音なしの環境、音楽を聴く場合も耳からの情報は音楽のみにした方が集中できます。

 

集中力を高める鏡の使い方

集中力を高める鏡の使い方

人の集中力は無限にあるわけではないので、どうしても集中が切れる時があります。

机に鏡を置いてあると、集中力が切れた時の自分の顔を見ることができます。

そうすると、『あっ、今集中力が切れているな』というように自分を客観的に見る効果があり、あらためて気合を入れ直すことができます。

自分を客観的にみて、それを直すという行為は集中力のトレーニングとして効果があります。

姿勢を例にあげて、自分を客観的に見るモニタリングと集中力を鍛えることについて解説した記事があるので読んでみて下さい。

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姿勢の悪い人は勉強に集中できない

 

集中力を高める貼り紙とは

集中力を高める貼り紙とは

自分の部屋の見えるところに、自分の目標が書いてある紙を貼っておくと集中力を維持することに役立ちます。

集中が切れたときに張り紙を見ることで、『目標を達成するには集中して頑張らないと』と思い直して、再び集中できます。

これは心理学の『コミットメント効果』が作用しているからです。

 

集中力に役立つコミットメント効果と一貫性の原理

『コミットメント効果』とは、自分の目標を宣言すると達成できる確率が高まる効果のことを言います。

なぜ高まるのかというと一貫性の原理という心理効果が働くからです。

一貫性の原理(一貫性の法則とも言われる)は、『自分の発言や行動は矛盾なく一貫していたい』という心理が働く現象のことを言います。

なぜ一貫していたいかというと、人間は社会的生物なので他人から評価されなかった人は生き残って来れなかったからです。

『他人から評価される』とは、言っていることとやっていることが一致していることです。

目標を発表してみよう!

コミットメント効果で一番大きな効果を得たいなら、多くの人に自分の目標を発表することです。

張り紙を見るたびに、自分の発言を思い出して気合を入れ直すことができます。

『他の人に言うのは恥ずかしい!』と言う人は、発表しなくても良いので目標を張り紙書いて部屋に貼っておきましょう。

発表するほどの効果は得られませんが、全く効果がないわけではありません。自分自身に対する約束として、自分の行動を律する効果が期待できます。

 

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