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5つの学習方略を使い分けよう

  • 中学になって勉強が難しくなってきた
  • 高校生だけど実は中学のころからあまり自信がなかった
  • 効率の良い勉強方法が知りたい

このような方はこの記事を読むと以下のことがわかります

  1. 覚え方と理解の仕方を使い分ける必要がある
  2. 中学のうちに身につけておきたい勉強法がなにかわかる。

 

私の塾では心理学的に効果のあるとされる様々な勉強法を指導しています。

開業2年目以降は、高校受験の第1志望校に90%以上の生徒が合格しています。

今回は心理学者のワインスタインとメイヤーという人が1986年に発表した学習方略という考えについて説明していきます。

 

勉強方法を身につける理由

中学生で身につけたい勉強方法は5つあります。

なぜなら学年が上がるごとに学習内容を深く理解していく必要があるからです。

 

『教育七五三』という言葉をご存じでしょうか。

学校の授業を理解している生徒の割合が、

  • 小学生7割
  • 中学生5割
  • 高校生3割

であるということから言われている言葉です。

文部科学省が調べた学校の授業の理解度は、小学5年生から学年が上がるごとにどんどん低下しています。

学年が上がるごとに勉強内容がだんだん難しくなってきます。

先生の話を聞いているだけでは理解できなくなってしまうことが原因です。

内容が難しくなるにつれ、どう理解していくべきか方法を教えることが必要です。

学校の授業は

〇知識を教える

×覚え方、理解の仕方を教える

どのように覚えるか人それぞれに任せています。

 

覚え方、理解の仕方について学習方略という教育心理学で研究されている方法を説明します。

 

ワインスタインとメイヤーという人たちが勉強方法を大きく5つに分類しました。

ここではその5つを紹介し、具体的な使い方についても説明していきます。

 

暗記の勉強なら『リハーサル方略』

リハーサル方略とは反復練習のことです。

  1. 覚えたいものを読む、見る
  2. それを見ないで繰り返す

 

テストなどでは教科書やノートは見ることができないです。

覚えるときは何も見ないで思い出せるようにしないといけないですよね。

漢字や英単語などでこの方法を使っている人も多いと思います。

赤シートを使って暗記できているか確認するのもこのリハーサル方略の一つです。

コツは見ないでも思い出せるという実感ができるまで繰り返すことです。

 

記述の勉強は『精緻化方略』

精緻化方略とは、理解したいことを

  • イメージ化
  • 知っているものと関連付け

自分の覚えやすい形に変える方法です。

私経験上、学校のテストの点数が30~50点台の生徒はこの精緻化方略をうまく使えていないことが多いです。

 

理科や社会の問題集で答えの部分だけを一生懸命暗記している生徒がいます。

この生徒は歴史用語や理科の用語は完璧に覚えて自信満々です。

しかしテスト問題を解くとき、どの問題で覚えた用語を使えば良いかわからず、完璧に覚えた用語を解答用紙に書くことができませんでした。

理科や社会の場合、問題文にもキーワードが含まれています。

問題文のキーワードと解答のキーワードを関連付けして覚える必要があります。

関連付けて覚えやすくするにはキーワードを、自分の経験したことや自分の知っていることと関連付けすると覚えやすくなります。

このことを記憶の関連付け効果と言います。

自己関連付け効果を利用した勉強法を解説しているので読んでみてください。

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理科の実験問題や、地理や歴史の資料問題は図が何を表しているかを知っている必要があります。

図のイメージとキーワードを合わせて覚えると記憶しやすい性質があります。

そのようなイメージを利用した記憶法を二重符号化と言います。

二重符号化を利用した記憶法を記事にしてあるので読んでみてください

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理科や社会は暗記科目と言われています。

リハーサル方略で暗記作業を何時間頑張っても、仕組みを理解することはできません。

仕組みを理解するには

  • 自分で言い直す
  • 自分なりに理由をつける

ことで覚えやすくなります。

心理学的な記憶方法を使って勉強しようという記事で記憶するテクニックについて解説しています。

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リハーサル方略と精緻化方略を使い分けていく必要があるのです。

 

受験勉強で使う『体制化方略』

体制化方略とは複数の範囲をバラバラに覚えるのではなく、それぞれの範囲を関連を持たせて全体を理解することです。

受験勉強などのように学習する範囲が広い場合、共通点のある範囲はグループ分けをすることで理解が深まります。

例えば数学の場合、

  • 中学1年で比例と反比例
  • 中学2年で1次関数
  • 中学3年でy=ax2

を習いますが、グラフや公式を使って問題を解くことは同じです。

習う学年は違いますが、「中学で習う関数」というグループ分けしておけば、問題の特徴などを理解しやすくなります。

体制化方略は

  • 勉強する範囲が広い
  • 似たような内容の範囲

グループ分けをするとテストの時に芋づる式に思い出すことができます。

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  • リハーサル方略
  • 精緻化方略
  • 体制化方略

この3つは主要方略と言い、理解を深めていくための方法です。

残り2つは支援方略と言い、自分を客観的にみて自己成長につなげていく方略です。

 

『理解監視方略』の勉強方法を使って自信をつける

上で説明した3つの主要方略を使ったとしてもすぐに理解が深まるわけではありません。

自分なりに工夫して自分だけの覚え方や理解の仕方を身につけ、自己成長していく必要があります。

理解監視方略は自己成長を助けてくれる方略です。

 

理解監視方略とは

  1. 目標をたてる
  2. 目標を達成できたか自分で評価する
  3. 次回の行動を修正していく

勉強しているとときには失敗や遠回りもあります。

その時は過去の自分を振り返り、

  • 何が良かったか
  • 何が間違っていたか

一つ一つ自問自答しましょう。

成功と失敗の両方を素直に認める心が大事です。

次はどうすれば今より良くなるかを考えることがこの方略の一番大事なところです。

 

私が指導した生徒の中で、5教科合計点が100点を少し超える点数を取っていた生徒がいました。

その生徒に社会のリハーサル方略について指導したところ、社会の点数が20点台から50点台にあがりました。

良かったところを振り返ると自信がつきます。

つぎは理科や英単語、国語の漢字も自分で工夫してみて暗記しました。

同様にほかの科目も10~30点上がりました。

自信がつくと他の科目でも応用してみようという気持ちになったのです。

それが積み重なると自分なりの勉強方法が身につきます。

理解監視方略とは主要方略を使いこなすために必須の方法なのです。

 

勉強のやる気は『情緒的方略』

情緒的方略は自分で勉強する環境を作ることを重視した方略です。

やる気があっても

  • 机の上が片付いていない
  • 他の用事が入っている

これでは勉強ができません。

  • 机をきれいにする
  • 勉強する時間を決める

自分で勉強する環境を整えると毎日勉強できるようになります。

高校受験で圧倒的に成績が伸びた生徒は共通点があります。

  • 塾に毎日自習に来る
  • 毎日同じ時間に来る

自分の意志で毎日来る生徒もいましたし、親にうるさく言われて来た生徒もいました。

はじめは大変だったかもしれませんが、それが毎日続くとそれが当たり前になります。

自分以外の周りの人(友達、家族)もそれに合わせて動いてくれるようになります。

勉強をやりたいやりたくないという「あいまいなやる気論」ではなく、

勉強せざるを得ない状況を自分で作ることが大事です。

 

勉強のまとめ

中学になるとすべての科目が小学生の時よりも複雑になります。

それに対応する覚え方、理解の仕方は

  • リハーサル方略
  • 精緻化方略
  • 体制化方略

でこれを使い分けて理解を深めていくことが大事です。

覚えるときは記憶のメカニズムを知っていると楽になります。

勉強を楽にする記憶のメカニズムのページに記憶の仕組みをまとめています。

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