最近は『謙虚は美徳』という言葉を聞かなくなりました。
相手を尊重し、人間関係が良好になるという側面がありますが、損をしているというイメージもあると思います。
しかし、学び、勉強の面では『謙虚さ』を持つ人とそうでない人では結果に大きな違いが出てきます。
この記事ではなんとなく相手を尊重する『中身のない謙虚さ』ではなく、『本当の謙虚さ』について解説していきます。
■結論
勉強における『本当の謙虚さ』を持つ人は相手を尊重するだけの人ではありません。
『向上心』『自分への関心』『相手への関心』これらがあるから相手を尊重しているように見えるのです。
なんとなく相手を尊重するだけの『中身のない謙虚さ』にならないようにしましょう。
本当の謙虚さとは
謙虚な人というと『控えめ』『空気を読む』というイメージがあると思います。
人間関係が良好になって幅広い人と付き合えるというイメージがあります。
反面、『言いたいことを言えない』『その場の空気に流される』というようなデメリットのイメージも感じているのではないでしょうか?
しかし『本当の謙虚さ』を身につけている人は言いたいことは言いますし、場の空気に流されることはありません。
なぜなら、人間関係を円滑にするために謙虚になっているわけではないからです。
『本当の謙虚さ』を持つ人は次の2つを持っています。
- 自分の限界についての理解
- 限界を押し上げたいという向上心
この2つについて解説します。
自分の限界についての理解
『本当の謙虚さ』を持っている人は自分自身を良く知っています。
- 何ができるのか
- 何ができないか
- どこまでできるのか
自分を知るというのは自分自身を客観的に見ることができている証拠です。
自分自身を客観的に見るには、感情を入れずに自身の行動を振り返ることが必要です。
客観的に自分を見る能力をメタ認知といい、振り返りを繰り返して自分自身をより深く知ることができます。
メタ認知と振り返りについてはを別の記事で詳しく解説しています。(このページの一番下にリンクがあります)
限界を押し上げたいという向上心
自分自身を知ることで、今現在の『出来ること』『出来ないこと』を理解しています。
『出来ないこと』は自分が学び成長することで『出来ること』に変えることができるという信念(マインドセット)があります。
なぜなら自分には『出来ないこと』でも他の人には『出来ること』があることを知っているからです。
- 自分自身を知る
- 他の人にも関心を向ける
- 成長できることを知る
この3つをもつことで、限界を押し上げたいという向上心が生まれます。
『成長できることを知る』という信念はマインドセットの一つ成長思考(しなやかマインドセット)と呼ばれるものです。
人の能力は固定的であるというマインドセット(固定思考)になっていると向上心が生まれなくなってしまいます。
マインドセットについては別の記事で詳しく解説しているので読んでみてください。(リンクはこのページの一番下にあります。)
謙虚さの3つの側面
謙虚さがどのような行動に表れるのか
- 内面的
- 知識、技能的
- 社会的
3つの側面から解説していきいます。
内面的
謙虚な姿勢は思慮深さとして表れます。
自分に向き合う、冷静に客観的に事実に向き合うことで、自分自身を知ることができます。
また、ほかの人に関心を持ち、自分との差を冷静に客観的に比較することで自分の欠点を認め、新しい考えを受け入れようとします。
知識、技能的
謙虚な姿勢は知識や技能についての好奇心として表れます。
自分が『できないこと』に対して何が足りないのか、何を知れば出来るようになるのかを考えます。
向上心から自分の知らない知識や技能について興味を持つようになります。
自分の知らないことを素直に認め、それを学ぼうという意欲がわきます。
社会的
謙虚な姿勢は素直さとして表れます。
自分が出来ないことでも他の人が出来ることを知っているので、他の人から教わろうという意欲があります。
自分ができないことを知っているので教わった通りに実行しようとします。(マネをします)
謙虚さを身につける方法
自分自身に興味を持つ
自分自身を知ることは大前提です。たくさん振り返りをして客観的に自分を見るようにしましょう。
たくさん振り返ることで振り返る能力は上がっていきます。今まで振り返りをしたことがないようなら、今日から日記をつけてみましょう。
自分以外の人に関心を向けてみる
友だち、親、知り合いどんな人でも良いです。
- どんなことに興味があるのか
- どんな目標を立てているのか
- どんなことができそうなのか
- どんなことができなさそうなのか
関心をもって観察してみましょう。
自分との違いがわかります。
注意する点は冷静に客観的に比べることです。
〇 自分は○○ができない。友達は○○ができる。
✖ 自分は○○ができないけど友達は○○ができる。友達はすごいなぁ
赤文字で記しているところは感情です。あくまでも事実だけを見るようにしましょう。
自分より優れた能力を持っている人に教えてもらう
もし自分にはできないことを、観察した人ができそうなら、その人にどうすればできるようになるか聞いてみると良いでしょう。
子供のころに自転車の乗り方や逆上がりの仕方など、自分にはできないことを純粋に質問した経験はないですか?それと一緒です。
誰かが教えてくれるまで待つのではなく、自分から頼むことが大切です。
目標を達成したら助けてくれた人に感謝する
大きな目標を達成したら助けてくれた人に感謝しましょう。手紙などの形あるもので感謝のしるしを表してください。
そうすると相手もうれしいですし、感謝している自分自身もうれしく感じます。
うれしいと感じることで、『本当の謙虚さ』は自分にとって良いことだという確信に変わります。次の目標にも謙虚に取り組むことができるようになります。
まとめ
勉強をするうえで謙虚さは必要です。
しかしただ単に目上の人だから、知らない人だからへりくだったり、相手を尊重するだけの人は『本当の謙虚さ』とは言えません。
『本当の謙虚さ』を持っている人は『言いたいことを言えない』『場の空気に流される』ようなことはありません。
『本当の謙虚さ』を持つ人というのは、自分の限界について理解し、その限界を押し上げたいという向上心を持ち合わせている人を言います。
自分自身を知り、相手に関心を持ち、自分に不足していることは学ぶことで自分もできるようになるという確信を持っています。
思慮深く自分や相手を観察し、自分の知らない知識や技能に興味を持ち、教わったら素直に実行できるのです。
『本当の謙虚さ』を身につけるには自分自身、自分以外の人に関心を持ち、素直に教わるようにしましょう。
目標を達成したあとは感謝を形に表しましょう。『本当の謙虚さ』が自分にとって有益であるという実感を得ることができます。その実感が、次の行動でも謙虚に取り組む動機になります。
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