インプット、アウトプットは社会人の自己学習やビジネス現場でよく使われていましたが、最近は教育でも使う機会が多くなりました。
保護者の方だと知らない方も多いと思いますので解説します。
もうインプットもアウトプットも知ってるよ!というかたは、効果的なインプット方法を記事の後半で解説しているので読んでみてください。
インプットやアウトプットについてはインプット大全、アウトプット大全を参考にしています。
インプットとは
インプットというのは学習を始める際の入口にあたります。
学校の勉強なら授業で先生の話を聞くことです。自学するなら手始めに本を読んだり動画を見たりしますよね。
どれも、目や耳から情報を脳に入れることが目的です。
脳に入れる=インプットということです。
勉強は3つのサイクルに分けることができます。
- インプット(読む、聞く、見る)
- アウトプット(書く、話す、行動する)
- フィードバック(省察、内省、反省、振り返り)
この順番に行い、③フィードバックが終わったらまた①インプットに戻り繰り返していくことで学習は進んでいきます。
インプットはアウトプットの前提
なぜ、勉強や学習をするのでしょうか?
それは、志望校に合格したり、仕事に生かすためなどさまざまな理由があると思います。
勉強や学習において、インプットすることで目指すものは、結果や成果などを得ることに行きつくはずです。
志望校に合格する、仕事に生かすことで給料が上がる(かもしれない)のように現実を変えていくことは試験の解答用紙に書く、仕事のプレゼンで話すなどアウトプットを通じて達成されます。
インプットで脳に情報を入れて、その情報を活用して書く、話す、行動するというアウトプットを通じて現実は変わっていくのです。
つまりインプットはアウトプットをするための前提と言えます。
アウトプットが前提でないものを見たり聞いたりすることもあります。
テレビのバラエティーや小説などは
見たり、聞いたり、読んだりしますよね。これらの目的は『楽しむこと=娯楽』です。
娯楽はアウトプット前提ではないと言えるでしょう。
インプットとアウトプットの関係
実際に現実を変えるのはアウトプットであることは前の章で説明した通りです。
勉強だけでなく、人生においてもアウトプットが重要であることは変わりません。
そんなアウトプットですが、インプットで新しい情報を脳に入れなければ意味がありません。
例えば子供に自分の名前を言ったり書いたりすることを教えるのに、次の3つの段階を踏んでいます。
- 名前の言い方を教える(インプット)⇒名前を言えるようになる
- ひらがなを教える(インプット)⇒ひらがなで名前を書けるようになる
- 漢字を教える(インプット)⇒漢字で名前を書けるようになる
このようにインプットをしていくことで以前と異なるアウトプットができるようになります。
アウトプットが大事と言ってもインプットが無ければアウトプットを変えることはできません。
インプットとアウトプットの割合
多くの人は勉強というと学校の授業で先生の話を聞いている印象が強く、インプット重視になってしまいがちです。
どんなに脳に新しい情報を入れたとしても行動(アウトプット)しなければ現実は変わりません。
それならアウトプットばかりすればよいかというと前の章で説明した通りインプットが無ければアウトプットは意味がありません。
インプットとアウトプットのバランスが大事なのです。
具体的にはインプット3に対してアウトプット7の割合が良いとされています。
これはインプットで脳に情報を入れたとしても忘れてしまうし、インプットした情報をうまく活用できないので練習する必要があるからです。
授業を聞いただけでテストや受験でよい点数は取れませんよね。
聞いたことを繰り返し復習して模擬試験や過去問で練習してやっと良い点数が取れるはずです。
アウトプットをするときは、インプットした内容を記憶していつでも取り出せるようにする必要があるからです。
この状態を長期記憶に保管すると言います。
長期記憶に保管するにはリハーサルといって繰り返し復習したり練習したりする必要があります。
インプットした情報をいつでもアウトプットできるようにするために、インプットにかけた時間の倍以上(3:7)を目安に復習しておきましょう。
記憶については『勉強を楽にする記憶のメカニズム 』の記事で詳しく解説しています。
一生懸命勉強しているのに覚えている感覚がない 頑張って勉強したのにテストの時に思い出せなかった・・・ もしかして自分は記憶力が悪いのでは?と思う前にこの記事で記憶のメカニズムについて理解を深めていきましょう。 あなたの記[…]
インプットを効果的に行う方法
インプットは大きく分けて見る、読む、聞くの3つあります。
それぞれの方法を紹介します。
インプット方法<見る>
<見る>ことで非言語的コミュニケーションから情報を得る
目から入る情報に脳の8割の処理能力を使っていると言われています。
それくらい目から入る情報というものを脳は重要視しています。
人のコミュニケーションは次の2つに大別されます。
- 言語的コミュニケーション(聞く)=話の内容など
- 非言語的コミュニケーション(見る)=ジェスチャーや表情など
目から入る情報を重要視する性質から、この2つを使って相手に伝えるように進化してきました。
インプットを最大化するには<見る>をうまく活用していくことが必要です。
学校の授業や動画による授業も同様で、聞くだけではなく、見ることで非言語的コミュニケーションを受け取りましょう。
言語的、非言語的コミュニケーション両方を受け取ることでインプット情報は最大化されます。
見ることの重要性については『よく理解できる3つの聞く方法』で詳しく解説しています。
あの先生の授業わかりにくいなぁ。 授業を聞いても頭に入ってこないよ。 もっとわかりやすい先生いないのかなぁ。 先生の授業がうまくないかもしれませんが、もしかしたら原因は自分にあるかもしれません。 理解[…]
イメージ(映像)と言葉の情報をくっつけると覚えやすい
考えたり、覚えようとしたりするときに、脳の作業場で関連する記憶を引っ張り出して新しいことを記憶をしようとします。
この作業場をワーキングメモリ(作業記憶)と言います。
ワーキングメモリは言語と音の記憶を処理するところと、映像(イメージ)を処理するところに分かれています。
そのため、映像(イメージ)に、意味付けすることで覚えやすくなります。
これを二重符号化と言います。
<見る>で得た映像の情報もインプットには重要な役割を果たしているのです。
この記事では二重符号化を使った記憶方法を解説します 二重符号化とは 脳が記憶する機能は次の2つがあります。 言葉や意味で覚える機能(言語情報)見たイメージで覚える機能(非言語情報) この言[…]
ワーキングメモリについてはこちらで解説しています。
この記事では作業記憶(ワーキングメモリ)について解説します 作業記憶(ワーキングメモリ)の能力が高いと地頭が良いとか、頭の回転が速いとか言われますが 作業記憶(ワーキングメモリ)とはどういう働きをするのか解説します。[…]
インプット方法<読む>
本や教科書の読み方のコツ
本を読む、教科書を読むときにインプット効率が良くなる手順があります。
SQ3R法、PQRST法と呼ばれる読み方です。
- 何を勉強するか、目的を明確にする
- 目次や概要を読んでだいたいのことをつかむ
- 目時や概要で気になるところをピックアップする
- ピックアップしたところだけを読む
読んだ後は、すぐにまとめや読書感想文を書いてアウトプットしましょう
もう一つはKWL表といって、知っていること知らないことをあらかじめ書き出すようにします。そうすることで、知らないことをインプットすることだけに時間を使うことができます。
すでに知っていることはインプットする必要ないですよね。読み飛ばしても良いです。
詳しくは『理解が深まる3つの本の読み方』で解説しています。
本を読んでも理解できない。 字がぎっしりしていて読むのがつらい。 もっと効率的な本の読み方を知りたい。 本ってなんであんなに字がぎっしりで読みづらいんですかね。 読むの大変ですよね。 でも読み方[…]
読むときはアンダーラインを引いた方が良い理由
実際に教科書や本を読むときはアンダーラインを引きながら読むと良いです。
人の脳には、孤立効果(レストルフ効果)といって、他とことなる部分を重要だと思う効果があります。
アンダーラインを引くことで孤立効果が働きそこが重要だと脳が認識します。
※アンダーラインを引きすぎると孤立効果が働かなくなります。
人には選択的注意と言ってたくさんある情報の中から大事なものだけに注意を向ける仕組みがあります。
孤立効果を使って意図的に選択的注意を向けていくことで効率よく本からインプットができるようになります。
詳しくは『教科書にアンダーラインを引くのは意味あるの?』で記事にしてあります。
友達の教科書を見たらアンダーラインを引いていた。アンダーライン引いてもおぼえられないけど意味あるの?蛍光ペンを使って太く引いたほうがいいの?細い線だけでいいの? この記事を読むことで アンダーラインの効果を知るこ[…]
インプット方法<聞く>
聞き逃しを防ぎ理解しやすくするために予習する
聞くの注意点は、聞き逃すことでインプットの効率が悪くなることです。
youtubeや音声教材のようにもう一度聞けるようなものなら聞き直せば良いですが、学校の授業やセミナーのように聞き逃せないものもあります。
また聞いたとしても、理解できなければその言葉は暗号のように訳の分からないものとして聞こえてきます。
聞くときにインプットを最大化するには予習をしておくと良いです。
どんな内容なのか枠組みを大まかに把握しておくと難解な内容でも、ついていくことができます。
このように枠組みをあらかじめ予習しておくことを先行オーガナイザーと言います。
予習はインプットの準備に過ぎないので、時間をかける必要はありません。あくまで枠組みや概要を掴むだけにとどめておきましょう。
(余裕があれば知りたいことをピックアップしておくとなお良いです)
また、準備をしておくことで心に余裕ができ、<見る>で解説した非言語的コミュニケーションからも情報を得ることが出来ます。
予習については『予習で勉強時間を減らそう』で詳しく解説しています。
予習をしなさいと言われるけどどういう風にやるの?予習の仕方を知りたいな この記事を読むことで次のことがわかります。 予習はどのような効果があるか知ることができます。どのように予習すればよいかを知ることができます。[…]
インプットと見る読む聞くの方法について解説しました。
勉強や学習においてアウトプットが一番重要ですが、インプットなくしてアウトプットはないです。
インプットを最大化しつつ、アウトプットに時間をかけることで成長できます。
そしてアウトプットの内容を反省し次のインプットをさらによくしていくためのフィードバックも大切です。
インプット、アウトプット、フィードバックのサイクルが身につけば、自己成長が加速します。
アウトプットやフィードバックについても後日まとめ記事を書く予定です。
インプットのあとはアウトプットをしましょう。
アウトプットはコチラの記事にまとめてあります。
勉強ではアウトプットが一番大事です。 なぜなら、アウトプットというのは、『書く』『話す』ことだからです。 『書く』『話す』というのは、テストの答案を『書く』面接で『話す』ことです。 教科書をたくさん読んでも、テストや面接[…]